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「10歳の壁」子どもを飛躍させるための保護者のサポートとは【後編】

7/1(土) 10:02配信

ベネッセ 教育情報サイト

10歳前後の内面に起こる変化や成長は理解していただけましたでしょうか。続いて10歳前後のお子さまを「飛躍」させるための保護者のフォローについて考えていきましょう。引き続き、法政大学文学部心理学科の渡辺弥生教授が解説します。

理詰めで教えるよりも、気持ちに寄り添おう

お子さまが高学年になると、「ようやく手がかからなくなった」と、仕事に復帰されたりする保護者は少なくありません。確かに1人でできることは増えますが、一方では大人に近づいて複雑な悩みや葛藤を抱えやすくなる時期です。これまでのようにべったりと世話をする必要はないかもしれませんが、お子さまから目を離していいわけではないのです。逆にお子さまの内面をしっかりとフォローし成長を支えることが、中学校にかけて問題を生じにくくさせます。

お子さまが自信を失ったり劣等感をもったりしているようなら、まずは気持ちに寄り添うことが大事です。「何があったの? こうするべきよ」などと理詰めで教えても、お子さまが感じているつらさはなかなか取り除けません。お子さまに寄り添い、「今日は疲れているみたいね。ゆっくりしなさい」などと温かい言葉をかけてあげると、いくらか楽な気持ちになるでしょう。

保護者が自分のことを考えているかを見抜く力もつく

この時期は、一つのつまずきから「自分はだめだ」とすべてを否定してしまいやすいため、しっかりと気持ちに寄り添ってから、お子さまが自尊心を保てるようにフォローします。小学生にとって大きな問題は、「運動」「勉強」「友だち」の三つです。例えば、勉強が苦手と感じていたら、運動や友だち関係から良いところを見つけて認めてあげましょう。また、勉強といってもたくさんの教科がありますし、例えば国語の中でも「小説を読むのは好きだけど、説明文が苦手」など領域は細かく分けられます。その中から好きなことや得意なことを一緒に見つけて良い面を伸ばすように促し、自信をもたせることです。自信がもてれば、弱点に向き合う気持ちも出てきます。

最もいけないのは「それ見たことか」といった態度で、お子さまの劣等感を利用して何かをさせようとすることです。普段なかなか勉強しないお子さまなら、「だから勉強しなさいって言ったでしょう」などと言いたくなる場合もあるかもしれませんが、保護者に自分の気持ちが理解されていないと感じると、お子さまはますますつらくなります。

10歳前後になると自分を客観的に見つめられるようになり、保護者が自分のことを正確にとらわれているかを見抜けるようになります。そのため、保護者が「ほめてやらせよう」といった態度を取ると、「自分のことがわかっていない」と、逆にやる気を失いかねません。親への不信感もつのるでしょう。これまで以上にお子さまの気持ちを理解するように心がけてください。お子さまはそうした保護者の姿勢を敏感に感じ取り、信頼感を強めます。

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