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「五輪の恩恵なんて…」東京都にある村が直面している「危機」とは

7/1(土) 7:10配信

BuzzFeed Japan

都心から2時間ほど車を走らせると、緑豊かな集落にたどり着く。東京都檜原村。都の島嶼部以外では唯一の村だ。面積の92.5%が森林で、駅も、コンビニも、チェーン店もない。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【写真】実は「1964年の東京五輪のために作られた」もの

人口は2266人(6月1日現在)と、最盛期(1945年、7103人)の3分1ほど。この国の地方が当たり前に悩んでいるそれと同じように、急激な少子高齢化に直面している。

30年後までに消滅するおそれがある「消滅可能性自治体」にも名前があがる。そんな村に暮らす人たちは、都議選を前にしていったい何を感じているのか。

300年続いた「祭り」の危機

「都心の人は五輪で東京が活性化すると思っているけれど、私たちにはほとんど恩恵はないんじゃないかな」

BuzzFeed Newsの取材にそう語るのは、檜原村の中でも高齢化が著しく、「限界集落」と言われている藤倉地区の小泉民行さん(70)だ。

村役場から車で30分ほど。バスの終点、都道205号線も行き止まりという場所にある集落だ。約30世帯が暮らすが、そのほとんどが単身もしくは2人暮らしの高齢者。

この村で生まれ育ち、自治会長も務めていた小泉さんは、現状をこう嘆く。

「もはや、年寄りばかりの限界集落です。一人が亡くなれば、一軒の家がなくなるような状況。昔に比べて、どんどんと賑わいがなくなっている」

「若い人が入ってくれれば良いけれど、お店なんかも遠く、生活も大変だから難しい。集落が消えてしまうという危機感がありますし、このまま運営していけるのかどうかも見えない」

人が減ることにより、冠婚葬祭や神社の例祭の運営に支障が出ている。300年以上続いてきた「獅子舞」の存続も危ぶまれている。

「演目は12あるんですが、ひとつに1時間かかる。身支度も入れれば13~14時間かかることになってしまいます。動きもハードなので、高齢者には難しい」

1781年(天明元年)。いまの奥多摩町から集落に伝承された獅子舞は、毎年秋に神社の例祭で奉納されている。

天下泰平、五穀豊穣、無病延命を祈るもので、都の無形民俗文化財にも指定されている貴重な伝統芸能だ。

「3、4年前から演目を半分にして、なんとかしのいでいます。あと数年は大丈夫かなと思いますが、後継者も少なく、舞はいずれできなくなるでしょうね」

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最終更新:7/1(土) 21:38
BuzzFeed Japan