ここから本文です

求人倍率全国1位、企業から悲鳴 人材確保へ試行錯誤

7/1(土) 8:32配信

福井新聞ONLINE

 福井労働局が30日発表した5月の福井県内の有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0・09ポイント上昇し2・09倍となった。バブル期後の1992年4月の2・10倍に次ぐ25年1カ月ぶりの高水準で、2カ月連続で2倍台を記録した。都道府県別では東京の2・05倍を上回り、2012年12月以来、4年5カ月ぶりに全国1位となった。

 求職者にとっては労働市場が潤っている半面、卸売業・小売業、医療・福祉、製造業、建設業など幅広い業種で人手不足が深刻化しており、生産性や労働環境にも影響が出ている。各企業からは苦悩の声が聞かれる一方、人材確保へさまざまな工夫を凝らしている。

 「県内外で人手の確保に苦労している。特に福井が大変だ」と話すのは、福井など4県でドラッグストアを展開するゲンキー(坂井市)の人事担当者。ハローワークへの求人だけでは人が集まらないため、雑誌や求人サイトなどで幅広く募集している。

 福井市内の福祉団体の人事担当者は「介護職の不足感が続いており、それを補うための人件費が高まっている」と苦しい現状を明かす。ここ数年、毎年20人余りの新卒求人を出しているが「満たされるのは6割程度。不足分は中途採用で何とかカバーしている」という。

 製造業も厳しい。金属加工のTAYASU(福井市)の田安繁晴社長は「自社でできる仕事であっても、人手が足りないため外注せざるを得ないケースがある」。眼鏡レンズ製造販売のアサヒオプティカル(鯖江市)の酒井順二社長は「残業や休日稼働で生産に対応している」といい、「生産ラインが多忙なため、新人に対して本来かけるべき教育時間をかけられない」と苦悩を打ち明ける。

福井新聞社