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デジタルとアナログの見事な融合!CECのCDトランスポート・2

7/1(土) 11:31配信

Stereo Sound ONLINE

作曲家、音楽家、録音エンジニア、オーディオ評論家の生形三郎さんが、気になるオーディオ製品をレビュー。ここでは、CECの新CDトランスポート「TL3 3.0」・その2 試聴編についてお届けする(Stereo Sound ONLINE)

デジタルとアナログの見事な融合!CECのCDトランスポートTL3 3.0



CDトランスポート
CEC TL3 3.0
価格:¥230,000(税別)

■デジタルの正確性とアナログらしい滑らかさが共存

 それでは、早速試聴に入ろう。組み合わせた機器は、プリアンプ兼DACがGRACE designのm920、パワーアンプがBRYSTONの2BLP(BTL駆動×2台)、スピーカーは自作した4ウェイスピーカーで、フォステクスの30cmウーファーと16cmミッドバス、Wavecorの30mmソフトドームトゥイーター、そしてTAKE-T BAT PRO2スーパートゥイーターを用いたもの。そのほか、同じくフォステクスのフルレンジユニットを使った自作スピーカーや、頭外定位方ヘッドフォンのクロスゾーン CZ-1を使用した。

 ジャズシンガー、ケイコ・リーのアルバム『Fragile』のCDをセットして再生する。センターにヴォーカル、レフトにピアノ、ライトにコンガが現れる。ヴォーカルは中央一点で精確 に定位し、左右の楽器は、チャンネルの最両端に展開。楽器ひとつひとつの音像ディティールが、実に明快である。

接続するDACはそのままに、同じ音源をパソコンからファイル伝送する時と比べても、描画精度に引けをとらない。ディスク再生でありながら、まるでファイル再生するかのような分解能の高さを持っている。同時に、驚いたのは、音像定位の前後感だ。楽器同士の間合いが明瞭で、奥行き方向の距離感もはっきりと掴める。主役のヴォーカルが、グンと前に出てきた。そこに加わるのが、ベルトドライブ駆動ならではの音の滑らかさ。

演奏のタッチに途切れを感じさせず 、アタックとリリースが自然な繋がりで奏される。まるでアナログレコードを再生しているかの如く、流麗なタッチが得られる。これこそが、ベルトドライブCDトランスポートの醍醐味であり、真骨頂と言える。しかもその持ち味が、さらに磨かれていることも実感する。従来モデルのTL3Nでの再生に比べると、ヴォーカルの発音やシンバルアタックの質感が、明確にスムーズになっているのである。つまり、精微な解像度を手に入れた上で、さらなる滑らかさを獲得しているのだ。

 他に、機能面では、新たにアップサンプリング機能も搭載された。試聴したところ、擬似的な音像立体感の拡張を確認。88.2、176.4kHzと、レート向上とともに効果が増大した。シンプルかつ実直な音色か、またはハイレゾ感ある音色かを好みで選ぶことができる。

(音の秘密はここにあった! 解明/ジャッジ編へつづく)

【生形三郎(うぶかたさぶろう)】
作曲家、音楽家、録音エンジニア、オーディオ評論家。東京藝術大学大学院修了。音楽家の視点を活かした、独自の録音制作およびオーディオ評論活動を展開している。「オーディオ=録音⇔再生」に関する、多角的な創造・普及活動に取り組む。自宅アトリエでは、自作の4ウェイおよびフルレンジをメインスピーカーに据えるこだわり派。今春より東京電機大学理工学部で講師を勤める。

Stereo Sound ONLINE / 生形三郎

最終更新:7/1(土) 11:31
Stereo Sound ONLINE

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