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「責任所在どこに」、原発事故強制起訴初公判 福島県の避難者、東電へ憤り

7/1(土) 8:42配信

福島民友新聞

 「原発事故は誰の責任なんだ」。福島第1原発事故から6年3カ月が経過する中、東京電力の勝俣恒久元会長(77)ら3被告の初公判が開かれた30日、避難生活が続く県内の避難者は東電への憤りをにじませ、甚大な被害をもたらした原発事故の責任の所在を明らかにするよう求めた。

 大熊町からいわき市に避難する男性(70)は「東電は原発事故という甚大な被害を起こした会社。誰一人として責任を取っていないのはおかしい。責任はどこにあるのか、はっきりしてほしい」と真相解明を願った。

 この男性は事故当時を思い出す。父親=当時(88)=は避難所で体調を崩して病院に入院したが、震災から2カ月後に亡くなった。「避難がなければ父はもっと生きられた。今も故郷を追われている。東電は現実を忘れてはならない」と語気を強めた。

 「今更、事故の責任を問うても、もうどうにもならない。期待しても無駄」。第1原発が立地し、全町避難が続く双葉町の自宅からいわき市に避難している女性(68)は、ため息交じりに話した。

 今は仮設住宅に身を寄せる。約450人いた入居者も、若い世代が出ていったため高齢者ばかりで100人ほどに。引きこもったままの人も多く、孤独死や自殺者も出た。

 同じく全町避難中の大熊町からいわき市に避難している女性会社員(29)は「津波を想定できなかったことは浅はかだ」と批判。その上で「古里を失う原発事故は二度と起きてほしくない」と語った。

◆誠意ある対応求める 大熊、双葉町長   

 初公判を受け、福島第1原発が立地する大熊町の渡辺利綱町長は「旧経営陣には再発防止の観点からも裁判の中で誠意ある対応をもって真相究明に努めてほしい。甚大な被害をもたらした原発事故は根が深く、時間を要すると思うが、今後の推移を注視していきたい」とのコメントを出した。

 双葉町の伊沢史朗町長は「訴訟に関してのコメントは差し控えるが、東電には原発事故による全町避難が継続する双葉町の現状をよく認識し、事故原因者の責務として賠償、町民の生活再建、町の復興などの課題に誠実に取り組むよう強く求める」とした。

福島民友新聞

最終更新:7/1(土) 8:42
福島民友新聞