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保護猫を受刑者が世話、譲渡へ 米刑務所の中のプログラム

7/1(土) 11:50配信

sippo

ワシントン州内の刑務所で広くおこなわれている保護猫の社会化プログラム。6月、モンロー刑務所(MCC)の取り組みの現場を見てきた。他の刑務所と違うのは、重い精神疾患を患う男性受刑者だけを収容する特別ユニットでおこなわれていることだ。

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 モンロー刑務所と協働してプログラムをおこなっているのは猫専門の保護団体パーフェクト・パルズ。2006年にスタートし、最初の8年間は生後6カ月までの子猫を対象にしていたが、2014年からはシャイで人に慣れていない大人の猫も託すようになった。これまでになんと750匹以上、刑務所でケアを受けたほぼすべての猫たちの譲渡に成功している。受刑者が猫を傷つけるようなことはいっさいないという。

 毎週火曜日にはボランティアが刑務所を訪れ、猫たちの状態をチェックする。彼らに同行して特別ユニットに入ると、15人の受刑者がキャリーを持って集まってきた。みんな笑顔で、刑務所のスタッフも一緒になって猫たちをなでたり、抱っこしたりと、なんとも和やかな雰囲気だ。

 多頭飼育崩壊の家からレスキューされた二匹の猫(ベルトンとボニー、推定6歳)を1年近く世話しているというクレイグは話す。

「この子たちは、最初ここに来たときはおびえ切っていて、いっさいキャリーから出てこなかったんだ。キャリーから出して抱き上げられるようになるまで4カ月かかったよ。でも、いまでは僕のすぐそばでくつろぐようになった。ひざ乗り猫にはならないだろうけど、家庭のペットには十分なれると思うな」

 受刑者たちは、Tタッチ(Tellington Touch)と呼ばれるマッサージ法で猫たちの緊張をほぐしたり、そばに来ればおやつをあげるなどして、少しずつ彼らの警戒心を解いていく。

 このプログラムでやりがいを感じるのはどんなとき?と聞くと、クレイグはこう答えた。

「猫が僕を信頼してくれたとわかったとき。ずっと隠れていた猫がベッドに乗ってきて、ゴロゴロのどを鳴らして甘えてくれる……人生で最高の瞬間だよ」

 クレイグはしみじみと言う。

「猫たちといると、心が温かくなるんだ。猫たちがどんなことをしても、僕は絶対叱らない。この子たちはもう十分怖い思いをしてきたんだから……。引っかく猫もいるけど、それはおびえているからだ。凶暴だからじゃないんだ」

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最終更新:7/1(土) 17:44
sippo