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宮部みゆきさんが青ざめた、売れっ子作家によるホラー小説リレー

7/1(土) 12:02配信

スポーツ報知

第一走者・宮部さんはホラー小説で

 売れっ子作家5人が、ミステリー短編のバトンをつないだアンソロジー(作品集)、「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう、講談社、1620円)が出版された。宮部みゆきさん(56)の書き下ろし短編を辻村深月さん(37)が読み、短編を書き、薬丸岳さん(47)、東山彰良さん(48)、宮内悠介さん(38)と2年かけてバトンをつないだ。第1走者・宮部さんはホラー小説で切り出したのだが、さて、バトンはうまくつながったのだろうか。(甲斐 毅彦)

 最近は執筆の8割がホラー小説だという宮部さん。編集者から「お好きなネタで書いてみてください」と振られ、迷わずつづったのは、これからの夏にぴったりの背筋が寒くなる話だ。

 ■「人・で・なし」(宮部作)
 サラリーマンの「僕」の両親が15年前にS町でマイホームを買った時に体験した奇妙な話。転居あいさつを兼ねた年賀状のため家族写真を撮ると、写っているはずのものが写らず、ないはずのものが写っている…。

宮部ファンが2番手を

 バトンを受け継いだのは、高校時代から宮部ファンだという辻村さん。
 「宮部さんらしいマジックのような着地が見事な作品でした。それを踏襲しながら『ネガ』と『ポジ』の逆のようなことができないかな、と思ったところを出発点に書かせてもらいました。誰につなぐのか分からなかったんですが、後で薬丸さんから『面白かったです』と言っていただいて、幸せを感じました」

 ■「ママ・はは」(辻村作)
 やはりS町が登場する。友人・スミちゃんの引っ越しの手伝いをしていた時に、スミちゃんとお母さんの成人式の写真が目に入る。彼女は藤色の振り袖を着ているのだが、「私、この着物、実は着てないんだよね」とスミちゃん。そこから彼女は奇妙な体験を語り出し…。


 3番手は薬丸さん。推理小説の名手として知られるが、ホラー小説を手掛けたことはなかった。

 「バトンつなぎと聞いてかなり動揺しました。宮部さんと辻村さんの作品がものすごく面白い作品だったんで、お二人から引き離されないようにと必死でした。こういう機会をいただけてなければ開けなかった引き出し。すごく楽しい経験でした」

 ■「わたし・わたし」(薬丸作)
 薬丸作品おなじみの夏目信人刑事が登場。振り込め詐欺に手を染めて追われる男と家出少女。ハードボイルドな展開に前2作とどうつながっているの?と思いながら読み進めていくと…。

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最終更新:7/1(土) 12:02
スポーツ報知