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「SUBARU」が教えてくれるソーシャル時代のブランディング戦略

7/1(土) 15:32配信

ニュースイッチ

「見かける、知る」から「更新」の6段階で

 自動車メーカーの「SUBARU」は「水平対向エンジン」と「4WD(4輪駆動)」にこだわり、「スバリスト」と呼ばれる根強いファンを持つ。国内シェアがわずか4%ながら、トヨタや日産にない独自の強みを武器に世界で健闘する。同社のブランディング戦略は、中小企業にも参考となる点が多い。

 そんな「SUBARU」にあやかって、ブランド価値形成のプロセスを解説したい。ブランドづくりは、See(Search)、Understand、Believe、Action、Relation、Up Dateの6段階となる。

 (1)Seeは店舗や看板、広告で「見かける、知る」。あるいは、Search「(検索して)見つける」。つまり、「認知」の段階である。知られなければ存在しないのと同じ。認知度向上の手段は、CMや新聞広告、折込チラシ、看板などがあるが、予算が少ない中小企業は優先順位を間違えてはならない。さらにネット検索で容易に見つかるよう、ウェブコンテンツや会員制交流サイト(SNS)の活用など、最大限有効な対策を施したい。

 (2)Understandは「理解する」。広告や看板だけで自社の考え方やこだわり、製品の優位性などを説明するのは不可能である。それらをウェブサイトに読みやすく掲載したり、イベントやキャンペーンなどを通じて手間ひまかけて理解してもらう必要がある。

 (3)Believeは「信用・信頼する」。ステークホルダーの信頼獲得には、社員が個々の案件に誠実に対応するのが何より重要だが、社会的信頼度の醸成にはマスメディアで報道されるのが早道である。新聞記事やテレビニュースは認知・理解・信用を一挙に高める。「プレスリリース」の書き方や配信方法を学んでPRを実践すべきである。

 (4)Actionは「購買・利用する」だけでなく「人に勧める、紹介する」などの行為も含まれる。ブランディングは「買ってもらう」ことが最終目的ではなく「応援してくれる人を増やす」ことが目的なのだ。

 (5)Relationは、「関係・結びつき」。購買客や見込み客、ファンとの関係性を構築し、継続的に深めていく取り組みとして、メルマガやSNS、感謝イベントの実施などがある。これらは直接の販売効果が目に見えにくいので軽視されがちだが、不可欠な取り組みといえる。

 (6)Up Dateは「更新」。情報過多の時代、広告だけでなくウェブコンテンツ、プレスリリース、イベントなどあらゆる情報を絶えず更新し、自社のブランドイメージを磨き続けるのを忘れてはならない。

 莫大(ばくだい)な広告費を使い露出を増やしても、社会の理解や信頼を獲得し、関係を継続・更新していくのは容易でない。ブランドは「一日にしてならず」、なのだ。

妹尾浩二(日本経営士会)

最終更新:7/1(土) 15:32
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