ここから本文です

「戻りたい村」へ奮闘 福島・飯舘村役場帰還1年

7/1(土) 11:52配信

福島民友新聞

 福島県飯舘村が、東京電力福島第1原発事故に伴い福島市飯野町に移した役場機能を村内に戻してから1日で1年となる。

 村は3月末に一部地域を除いて避難指示が解除され、復興への歩みを着実に進める。職員の話から東日本大震災時の混乱の様子を振り返り、村の課題などを探った。

 「村民が安心して戻ってこられる環境をつくるのが役目だ」。健康福祉課長の斉藤修一(58)は強調した。斉藤は東日本大震災直後の2011(平成23)年5月の人事異動で総務係長に就き、役場機能移転に携わった。

 「村民の避難も進めなきゃならないし、役場の避難先も決めなきゃならなかった」と当時の混乱ぶりを語る。役場機能を移転させた後も、斉藤に落ち着く時間はなかった。日中は避難した村民に加え、報道機関の対応に追われた。震度4以上の地震が発生すれば夜中でも出勤して被害状況を確認。忙しさのあまり、「報道機関の電話を何回切ったか分からない」と申し訳なさそうに話した。

 翌12年の異動で係を離れたが、斉藤は「濃い11カ月だった」と振り返る。村は長泥地区を除き避難指示が解除され、斉藤は村内の深谷地区にある自宅に戻った。自宅は村の復興拠点の近く。「ここで自分が生活できなければ、誰も生活できないだろう」と考えてのことだった。

 今春の異動で保健福祉課に配属になり、帰村した村民の一人としての意識を持ちながら業務に当たっている。同課は、帰村したり、避難生活を続ける村民の家々を回り、健康状態を確認するのが主な業務だ。

 帰村者のほとんどが高齢者とされる。訪問を終えた部下の報告書を見ると、現時点で発生こそないものの、村に住んでいる住民も職員も少ない中で、高齢者の徘徊(はいかい)に不安を感じることがある。

 村民が戻りたいと思える村づくりは職員の奮闘なしに成し遂げられない。「これからも全精力を注ぐ」。村長の菅野典雄(70)は村の節目に合わせ、職員の気持ちを代弁した。(文中敬称略)

福島民友新聞

最終更新:7/1(土) 11:52
福島民友新聞