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実質業務純益、6機関で減 マイナス金利響く 県内金融機関17年3月期

7/1(土) 15:36配信

カナロコ by 神奈川新聞

 県内金融機関(地銀2行、信用金庫8庫)の2017年3月期決算(単体)が出そろった。日銀のマイナス金利政策の影響を受け、本業のもうけを示す実質業務純益は10機関中6機関で前期に比べ減少。売上高に当たる業務粗利益や業務収益は、債券売却益が増えた湘南、平塚両信金を除く8機関で減少し、通年で収益確保に苦戦した。

 地銀のうち横浜銀は、実質業務純益が16・8%減で、16年ぶりに1千億円を割った。マイナス金利による運用難や投資型商品の販売額減少などが影響。特に昨夏の保険商品販売停止が大きく響いた。一方で神奈川銀は業務粗利益が0・1%減だったが、利回りを重視する個人客への商品提案を行うチームの増員効果や残業代などの経費の減少などで、実質業務純益が2期ぶりに増加へ転じた。「実力値がプラスになったのは明るい材料」とした。

 信金では横浜、湘南、平塚の各信金で実質業務純益が増加した。横浜信金は「下期にかけて個人向け商品などの取り扱いが伸びた」。昨夏の保険商品販売停止前には駆け込み需要があったという。湘南信金も、資金運用を考える個人客を投資信託商品に誘導した効果が表れたとする。

 マイナス金利の長期化が予想される中、各金融機関とも利ざやの縮小に加え、資金運用の模索が相次いだ。「投資信託や外債、株式の運用も問題のない範囲で増やす方向」と、運用を分散するのは横浜信金。地方債を中心に運用するかながわ信金などからは「満期後の再運用が難しく、信金中央金庫への預け入れを増やした」。減益幅を埋めるため有価証券を売却する「益出し」の効果があった湘南信金は「債券の運用はタイミング次第」とした。

 貸出金残高が唯一、減少したのは中南信金。「住宅ローンや事業性向け融資が他の金融機関に肩代わりされた」と、低金利競争による打撃を明かした。「住宅ローンの場合ネット銀行も低い金利を提示しており、平日に窓口へ来られない個人客がなびいている可能性がある」と推測する。

 低金利競争下でも販売スキル向上を狙いとしたチーム編成と行員教育の効果を挙げたのは神奈川銀や湘南信金。中栄信金も「営業力強化に向けた専門部署の取り組みの成果が事業性貸し出しに表れてきた」とする。

 横浜銀は今春、営業力強化を主眼に組織改編を実施。かながわ信金も今秋「よろず相談承り処」を横須賀市中心部に開設し、信頼獲得と収益力向上を図る。中南信金も今期、職員研修をさらに強化。前期から事業性資金の需要が多い県央・平塚・茅ケ崎方面に人的資源を集中させており、相乗効果で業績改善を急ぐ。