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辺野古工事3年「止めたい。でも…」 深まる地域間の亀裂、沈黙する住民

7/1(土) 21:00配信

沖縄タイムス

 政府が名護市辺野古への新基地建設工事に着手して1日で3年を迎えた。大浦湾は広大な海域をブイで囲まれ、取り返しのつかない大規模埋め立ての危機感を住民に突きつける。一方、20年以上、基地を巡る賛否で人間関係を崩した住民の口は重い。「今からでも止めたい。でも行動には移せない」。不満は地域間の分断にもつながっていた。

 ◆対立起こすな

 立ち入り制限区域を示すブイが海岸から目の前に迫る名護市瀬嵩。30日夕、公民館にいた女性4人から匿名を条件に話を聞いた。

 4人とも海上工事が始まり、埋め立ての巨大さに驚いたという。環境悪化からか、今年は瀬嵩の浜で天然モズクが採れなかった。

 環境アセス時の飛行ルート調査で航空機は瀬嵩集落の真上を通過した。「今でもみんな反対。でも『基地問題で集落に対立を起こすな』という人もいる。子どもの就職に影響するとか、いろんなしがらみがある」と口をそろえる。

 ◆なぜ3区だけ? 

 キャンプ・シュワブゲート前の抗議行動には「本来は自分たちがやるべきこと。ありがたい」と感謝する一方、国が「地元3区」とする辺野古、豊原、久志(久辺3区)には不信感を向けた。

 「V字滑走路計画になり、基地被害は久辺3区より瀬嵩など二見以北地域が深刻になった。しかし、意見を聞いたり、予算などで優遇するのは3区だけ。私たちは無視されている」

 ◆抗議行動続く

 同日も、ゲート前の抗議行動には県内外から参加者が集まった。県統一連の瀬長和男事務局長は「“自分たちの問題”との考えが広がり、3年で抗議の輪が全国に拡大した」と指摘。

 多い時は100台以上もの工事車両の出入りを阻止する。沖縄高専の男子学生(20)は「最近は反対派と右翼がもめるようになった。抗議行動の影響で遅刻する学生もいて、マイナスイメージを持つ人もいる」と言葉を残し、足早に去っていた。

最終更新:7/24(月) 15:40
沖縄タイムス