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雄星「勝ちたかった」…想い込めたマウンドも森コーチに白星届けられず

7/1(土) 7:30配信

ベースボールキング

急逝森コーチの追悼試合

 しばらく天を仰ぎ一呼吸置いた後、西武のエース・菊池雄星は言葉を振り絞った。「勝ちたかったですね…」と。

 6月30日のオリックス戦、先発の菊池は、150キロを超える力のこもった投球も、オリックスのマレーロに2打席連続本塁打を許すなど今季ワーストの11被安打、7回3失点で4敗目を喫した。「きっちり締めていかないとと思いながら投げましたが甘く入ってしまった。打たれるべくして打たれた」とうなだれた。

 何としても勝ちたかった。この日は6月28日に42歳で急死した森慎二投手コーチの追悼試合。ベンチとブルペンには森コーチの背番号「89」のユニフォームが掲げられ、選手たちは左袖に喪章をつけて試合に臨んだ。

 しかし、弔い星をささげることはできなかった。「毎試合大事だが、きょうは特に僕自身(森コーチを)思い出しながら、絶対にいいところを見せたいと思って投げた」と唇をかみしめた。

兄貴的な存在

 森コーチは「兄貴的な存在だった」。菊池は振り返る。「もちろん技術的なこともたくさん教わった。打たれた時には『自信をもって投げろ。お前の球はすごい』と励ましてもらったし、勇気づけてもらった」。さらに続ける。「私生活のこととか、何気ない会話の中で多くのことを教えてもらった」と。

 9回には、一死満塁と一発逆転の好機も作り、最後の最後までナインは意地を見せたが、あと一歩、あと一歩が届かなかった。辻発彦監督は「いろんな意味で勝ちたかったが、選手はあれだけ粘ってくれた。明日につながる」と選手たちをたたえた。

 土肥投手コーチも「精神的にきつく、打線の援護もないなか、あれだけ投げた。精神的に強くなったと感じた。『粘って投げていればいいことがある』という話はした」とエースの踏ん張りを評価した。

勝ち続けること、それが一番

 ときに黒星は白星以上の意味を持つ。この日の黒星は菊池がさらに強くなるように、真のエースになるように、森コーチが天国から菊池に課した“課題”だったのかもしれない。

 「勝ち続けること、それが一番。そこだけだと思う」。力強いまなざしで、エース左腕は誓った。天国の森コーチへ、今度こそいい報告ができるように。森コーチの想いを胸に、これからも獅子たちは戦い続けていく、日本一を目指して。

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