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発電できる金箔電池 石川県工試など開発

7/1(土) 2:12配信

北國新聞社

 石川県工業試験場とカタニ産業(金沢市)は、室内蛍光灯などの弱い光で発電できる太陽電池として、金箔(きんぱく)を活用した「金箔電池」の試作品を完成させた。白金(プラチナ)を使用する場合に比べて安価で、電気を通しやすい金箔の性質を生かすとともに、きらびやかな装飾でインテリア製品としての実用化を目指す。

 開発を進めるのは「色素増感太陽電池」と呼ばれる特殊な電池で、電極表面の色素が光を吸収し、エネルギーを電気に変換する仕組みとなる。

 県工試によると、電気が流れる対極の基盤には従来、白金を膜状に付着させて用いているが、白金は比較的高価で、金箔を使うとコストダウンを図れる。金箔の導電率は白金の約5倍で、発電効率も高まるという。

 これまで、白金の膜を浸していたヨウ素の電解液は、金箔を溶かすため、金箔を使った色素増感太陽電池を作るのが難しかった。県工試はヨウ素以外の電解液を試し、コバルトなどの種類の電解液を使うと、金箔が溶けずに発電できることが分かった。

 県工試とカタニ産業は電解液が漏れ出さないよう構造を改善し、10センチ角のプレート状の試作品を作った。県工試によると、電解液の表面に、白色の酸化チタンと染料などの色素を加えることで、金箔を背景に、さまざまなデザインを表現することができる。

 デザイン性に優れた「金箔電池」を室内に置くことで、付加価値の高いLED(発光ダイオード)や人感センサーの電源としての活用を見込む。

 県工試によると、試作品を3個重ねれば、乾電池1個文の発電量になる。実用化に向け、発電効率をさらに高める検討を行う。県工試の担当者は「機能的なインテリア品として金箔の利用拡大につなげ、石川の伝統工芸も併せて発信したい」と話した。

北國新聞社

最終更新:7/1(土) 2:12
北國新聞社