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「東京五輪への推薦状」第42回:「ジェフの秘宝」超大型FW櫻川ソロモンが見せる日進月歩

7/1(土) 21:36配信

ゲキサカ

 2020年東京五輪まであと3年。東京五輪男子サッカー競技への出場資格を持つ1997年生まれ以降の「東京五輪世代」において、代表未招集の注目選手たちをピックアップ

 ソフトなボールタッチから収める。落とす。収める。落とす。また落とす。相手を背負いながら胸で足でそして頭で、自在なポストワークで確実に攻撃の起点となり続けた男の名はFW櫻川ソロモン。「ジェフの秘宝」とでも言うべき、ジェフユナイテッド千葉U-18のゴールデンルーキーだ。

 千葉の本拠地であるユナイテッドパークで1日に行われたプリンスリーグ関東の三菱養和ユース戦。FW古川大悟がトップチームのメンバー入りを果たした流れで、1年生の櫻川に1トップでの先発機会が回ってきた。もっとも、古川がトップチームに帯同している流れの中で、すでに練習試合では先発機会を得ており、須永純監督は「十分にやれると思っていた」とも言う。もちろん初先発ということで「最初は少し緊張してしまっていた」(櫻川)のも確かだが、徐々に試合の流れに乗ってペースをつかんでいった。

 印象的だったのは冒頭でも触れた相手を背負ってのポストプレーの精度の高さと浮き球に対するヘディングでの存在感。189cm・80kgという1年生離れした肉体があってのものだが、決して大きいだけではない。「もともと体の使い方とかは上手くなかったと思う」と言うようにU-15時代はそれほど意識していなかったというポストワークだが、U-18チームに上がってから強く求められるようになったため、日本代表FW大迫勇也のプレーなどを研究。尻を当てるとか背中で押したりする」細かい部分の動き方を学びながら、自分なりのポストプレーを身に付けてきた。

 久しぶりに櫻川のプレーを観たというフロントスタッフの一人は「あんなプレー、ちょっと前まで全然できなかったのに」とその変貌ぶりに瞠目していたが、須永監督は「本当に努力家なんですよ」と目を細めるとおり、コツコツと身に付けたスキルなのだろう。そのポストワークで2点目のゴールを演出するなど、存在感は際立つものがあった。

 もっとも、本人は試合後に不満の色を隠さなかった。ストライカーとして肝心のゴールが遠かったからだ。この点は指揮官も「シュートのポイントに入っていく動きが足りなかった」と指摘するとおりで、ポスト役としてボールを収めてさばいてからの、その次の動き出しを欠いた。またドリブラーを養成することで知られるJSC CHIBA出身だけに本来「仕掛けるのは好き」な選手なのだが、この試合はシュートに繋がるようなドリブルを見せる機会はほとんどなく、左足のシュートを含めてまだまだ課題も多そうだ。

 だが、今年3月に群馬県で行われた親善大会では他クラブのスカウトが「あれが1年生!?」と驚いていたように、一目で分かるタレントなのは間違いない。トップチームを率いるエスナイデル監督が自分の練習に参加させ、練習試合にも出場させているのはそのポテンシャルを評価してのことだろう。

「トップチームは全部が速かった。ユースの中で図抜けて別格くらいにならないと通用しない」(櫻川)という自分の現在地も再認識。すでにトップデビューを果たした古川という「自分の目標」(櫻川)もいるだけに、いまはその大きな体にコツコツと新たなスキルを蓄え、飛躍のチャンスを待つことになる。ジェフ千葉が誇る未完のゴールデンルーキーがどんな成長を遂げていくのか。その変化は今年の千葉U-18の躍進をも左右することになるかもしれない。

執筆者紹介:川端暁彦
 サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』元編集長。2004年の『エル・ゴラッソ』創刊以前から育成年代を中心とした取材活動を行ってきた。現在はフリーランスの編集者兼ライターとして活動し、各種媒体に寄稿。著書『Jの新人』(東邦出版)。

最終更新:7/1(土) 21:36
ゲキサカ

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