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日欧EPA交渉大詰めへ、自動車・チーズが焦点-きょう閣僚協議

6/30(金) 16:35配信

Bloomberg

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉は、30日から行われる閣僚協議で大詰めを迎える。日本から輸出する自動車への関税撤廃や欧州から輸入するチーズへの市場開放などが焦点。日本側は来週後半の20カ国・地域(G20)首脳会合で安倍晋三首相が訪欧する機会に合わせ、EU側と大筋合意を目指す考えだ。

欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)が30日に来日し、岸田文雄外相と2日間に渡って会談する。岸田外相は28日、来週後半にドイツで開かれるG20で「首脳同士が顔を合わせる機会があるのを念頭に」ぎりぎりの交渉を続けていると都内の会合で述べている。

安倍首相は2013年、「内向きになってしまっては成長の可能性がない」と自由貿易の重要性を強調し、米国などとの環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を表明。15年10月の閣僚会合で大筋合意にこぎつけたが、今年1月、トランプ米大統領が離脱を表明したことで12カ国の枠組みでの発効ができなくなっていた。

西南学院大学経済学部の本間正義教授は、日本とEUは最前線で保護主義を食い止める立場にあり、「何としても合意に導く必要がある」とEPAの意義を強調。決裂した場合には保護主義の容認とも受け止められ、他の協定にもマイナスの影響があるという見方を示した。日欧EPA交渉は13年に始まり、18回の交渉会合を重ねてきた。

関税撤廃

課題の一つは、日本から輸出する自動車への関税撤廃だ。EU圏内に輸出する乗用車には10%、大型貨物車両には22%の関税がかかっており、電子機器など自動車部品も対象になっている。日本はEUからの輸入車に関税はかけていない。既に韓国はEUとの自由貿易協定(FTA)で乗用車を含む工業製品の関税が撤廃されており、価格競争の面からも不利として経済界が対応を求めていた。

自民党の経済産業部会長を務める上野賢一郎衆院議員は、日本の自動車産業は裾野が広い構造となっており、多くの部品メーカーが生産に携わっていると指摘。関税を即時撤廃することで「国内でのものづくりの競争力が高まり、雇用確保の面でも効果が望める」と期待を寄せる。

一方で、欧州産のチーズなど乳製品の輸入は増大しており、国内の畜産業者には関税引き下げへの危機感がある。自民党対策本部の会合では、出席者から自動車とチーズの関税をセットにしての交渉をしないよう政府に働き掛けてほしいとの声も上がった。EUは日本の総輸出入額の約10%を占めており、自民党では政府に対して交渉の早期妥結を求めるとともに、農林水産、経済産業など5つの分野での基本姿勢をまとめて政府に要望する予定。

Yuki Hagiwara, Isabel Reynolds

最終更新:6/30(金) 16:35
Bloomberg