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藤井四段の獲得賞金は300万円超? 棋士のおカネを大解剖

7/2(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「いくら稼いだのか」――そんな疑問も聞こえてくる。14歳の天才棋士・藤井聡太四段はあす(2日)、30連勝をかけて竜王戦決勝トーナメント2回戦に挑む。中学生とはいえ、プロ。勝てば勝つほど収入が増えるはずで、その収入は気になるところだ。そもそも棋士のカネ回りはどうなっているのか。「週刊将棋」元編集長で、大阪商業大学アミューズメント産業研究所主任研究員の古作登氏に聞いた。

「プロ棋士の収入は、公式戦の対局料とタイトル戦の優勝賞金が基本。公式戦は、主に新聞社などが主催する棋戦です」

 タイトル戦は、今年から昇格した「叡王戦」を加えて8つ。「名人戦」が最高峰と思いきや、そうではない。

「棋戦の対局料は一般に非公表ですが、藤井四段が挑戦している竜王戦は例外。ランキング戦の各組優勝賞金と決勝トーナメントの対局料、優勝賞金が公表されています。優勝賞金は将棋界最高の4320万円。歴史の重みは名人が上ですが、賞金は竜王が一番です」

 藤井四段は、6組に分かれて行う予選の最下位である6組のランキング戦を制して本戦へ。すでに6組の優勝賞金93万円と本戦1戦目の対局料46万円をゲット。あすは負けても対局料52万円が入るため、竜王戦関連だけで収入は少なくとも191万円に上る。

 では、このまま勝ち進むとどうなるか。さらに3つ勝ち星を積み重ねると、対局料は77万円、120万円、165万円と上昇して362万円が加算。次の挑戦者決定三番勝負はグンと上がり、450万円だ。そして渡辺明竜王との七番勝負の勝者が優勝賞金を手中にするが、負けても1620万円。ちなみに、挑戦者決定戦と優勝決定戦の対局料は全対局分。ストレート勝ちの方がトク。

■クラスに応じた“基本給”

 かくして、ルーキーが晴れて竜王になると、5323万円もの大金を手にすることに。昨年の獲得賞金ベスト10に当てはめると、佐藤天彦名人に迫る堂々の4位。

 非公表の27局についても公式戦だから対局料がつく。仮に1局5万円とすれば135万円。冒頭の191万円と合わせて326万円。デビュー9カ月でサラリーマンの平均年収に匹敵する金額を手にしたかもしれない。

 賞金ランクトップの羽生善治三冠は納得だろうが、10位の深浦康市九段で5分の1とガクンと落ちる。プロ棋士は全160人。下位層はカツカツのようだ。

「ほとんどの棋士はアマチュアへの指導料で生計を立てている。相場は3万~5万円です」

 勝てないと年収は300万~400万円ほどとみられる。そんな厳しい生活を下支えするのが「参稼報償金」。毎月の手当で“基本給”のようなもの。引退した田丸昇九段のブログによると、〈順位戦のクラス・各棋戦の実績・棋士年数によって査定される。下位のフリークラスの報償金は、B級1組の4分の1〉とつづっている。

 クラスは、上から順にA、B、Cと分かれ、BとCはそれぞれ1と2に分かれ、C2の下がフリーだ。古作氏も「わからない」というが、恐らくフリーは10万円以下か。

 棋士の所属は関東か関西。藤井四段は関西だ。

「関東から関西、関西から関東などへ遠征する場合は、将棋連盟から規定の交通費と宿泊費が支払われます」

 対局が長引いて日付をまたいでも、超過勤務手当はない。また、以前は連盟が厚生年金に加入していたが、6年前に公益社団法人に認可されたことで国民年金になった。