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那覇空港第2滑走路できても… 発着数わずか1・17倍 米軍機経路など障壁に

7/2(日) 10:27配信

琉球新報

 2020年の運用開始に向け滑走路増設工事が進む那覇空港で、第2滑走路が完成した後も、航空機が発着できる能力(滑走路処理容量)は現状の1・17倍にしか増えないことが1日までに分かった。米軍機の進入経路との兼ね合いや空港ターミナルとの位置、自衛隊機との供用の三つの障壁で、滑走路が2本になっても処理容量は2倍にならない。15年度の発着回数の年15万7千回に対し、国土交通省大阪航空局が算定した第2滑走路完成後の処理容量は年18万5千回にしかならない。第2滑走路の運用開始の早い段階で、改めて過密対策が求められる可能性も出てきそうだ。

 大阪交通局は08年に、滑走路を2本にした場合の那覇空港の処理容量を試算した。1時間当たりの最大発着可能回数は42回、1日当たりで509回、年間では約18万5千回との算定結果となった。

 算定は07年の運航実績を参考にしており、当時の1本滑走路での発着回数は年12万3千回。滑走路が2本となることで空港能力は約1・5倍になる説明だった。15年度の発着回数約15万7千回と比較すると処理容量は現行の1・2倍を割り込む。

 2本の滑走路で同時に離陸・着陸ができれば、1本滑走路に比べて処理容量は2倍となる。那覇空港第2滑走路は既存の滑走路から沖合へ1310メートルの位置に平行して配置され、本来なら2本の滑走路を独立して運用できる「オープンパラレル方式」が可能だ。

 しかし、(1)那覇空港の北側に米軍嘉手納飛行場への進入経路が重なる空域の問題でオープンパラレルが採用できない(2)旅客ターミナルと第2滑走路を行き来するには、陸側滑走路の離着陸を止めて横断しなければならない(3)自衛隊機の使用が増えている-といった理由から民間機の発着回数を最大化できない状況となっている。

 大阪航空局は「年間18万5千回という数値は安定的な運用ができる目安で、この回数までしか発着ができないというものではない。利用が集中するピーク時間帯には処理容量を超えて滑走路の混雑は出てくるかもしれないが、運用の工夫でも対応はできる」と説明している。那覇空港は滑走路1本の空港としては、福岡空港に次いで全国で2番目に発着回数が多い過密空港となっている。(与那嶺松一郎)

琉球新報社

最終更新:7/2(日) 10:27
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