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神戸に続き名古屋でも “殺人毒アリ”全国拡散を専門家警鐘

7/2(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 南米原産の殺人毒アリ「ヒアリ」が拡散している。神戸港に続き、名古屋港からも入り込んでいたことが分かり、大騒ぎだ。いずれも、中国広州市の南沙港を出港した貨物船が積んだコンテナにくっついていた。

 名古屋港では6月27日にコンテナ上部を這う7匹のヒアリが見つかり、殺虫剤で駆除後に研究機関に持ち込まれた。15日に南沙港を出て福建省のアモイ、東京港、横浜港を経由。23日に名古屋港の鍋田ふ頭に到着し、24日に門司港に向かって出航した。

 環境省と国交省は神戸港と名古屋港に加え、輸入コンテナ取扱量の多い東京港、横浜港、大阪港、博多港、それにヒアリが分布する中国・台湾に近い那覇港を含む7港で調査に着手。南沙港と定期航路を結ぶ22港に殺虫餌の設置を要請した。環境省は「名古屋港の周辺地域に定着し、繁殖している可能性は低い」としているが、わずか1カ月の間に3カ所でヒアリが発見されたのに、のんきに構えていて大丈夫なのか。

 外務省医務官として、スーダンやセネガルなど24カ国で実務経験がある関西福祉大教授の勝田吉彰氏(渡航医学)が言う。

「神戸港でヒアリが大量に見つかり、世間の関心が高まったことが相次ぐ発見につながったのではないか。すでにいろんなルートで上陸していて、それを見過ごしてきた可能性は否定できません。東京、横浜、名古屋、大阪、神戸の各港には中国発のコンテナ船が週30便以上も寄港しています」

■アース製薬には問い合わせが殺到

 2015年に中国から輸入したコンテナの都道府県別の数量は、東京がトップの約81万個(20フィート換算)。大阪59万個、愛知47万個、神奈川39万個、福岡と兵庫が27万個だった。

「港湾から離れた地域でもウカウカしていられません。日本の物流網はきめ細かい。コンテナは流通センターや倉庫、工場などにあっという間に搬入されていきます」(前出の勝田吉彰氏)

 いつ繁華街や住宅街でヒアリが発見されてもおかしくないわけだ。

 こうなると、気になるのが対策グッズだ。「アリの巣コロリ」「アリアースジェット」など8商品を販売するアース製薬には問い合わせが急増しているという。

「関西エリアでの関連商品の売り上げは通常期の2倍近くに伸びています」(広報室)

 アリに怯える夏になるのか……。