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杉田祐一が日本人3人目ツアー初V…芝では初の快挙

7/3(月) 6:04配信

スポーツ報知

◆男子テニス アンタルヤ・オープン最終日(1日、トルコ・アンタルヤ)

 世界ランク66位の杉田祐一(28)=三菱電機=が、日本男子シングルス3人目のツアー初優勝を果たした。決勝は同62位のアドリアン・マナリノ(29)=フランス=に6―1、7―6で勝利し、日本のエース錦織圭(27)=日清食品=も祝福した。3日に発表される世界ランクでは自己最高の44位前後まで上がり、松岡修造(46位)を超え錦織に続く日本勢歴代2位浮上が確実に。大きな自信をつけ、4日に1回戦を迎えるウィンブルドン選手権で4大大会初勝利を目指す。

 気温40度を超す酷暑のトルコで、杉田が日本男子テニス界に新たな一ページを加えた。マッチポイントで相手の返球がネットにかかると、腰から崩れ大の字になって倒れ込んだ。「信じられない。今までの選手生活の中で最も感動した」。松岡、錦織に続く3人目のツアー制覇。トロフィーを左手に、込み上げる涙をこらえながら何度も「ありがとう」と繰り返した。

 自ら「得意」と話す芝のコートで特長が発揮された。打点の高いフォアでフラットに打ち込むのが持ち味。芝では球が低く滑るようにバウンドするため、相手にとっては高い所から足元へ突き刺さるように感じる。ボレーの技術も高く、通算11勝の錦織も勝てていないコートで優勝をつかんだ。

 06年のプロ転向から長い道のりだった。頑固でコーチの意見を聞かなかったり、周囲が環境を整えて海外合宿に送り出すと嫌そうな反応を見せたことも。2年目には結果が出ず遠征すらストレスになり「辞めざるを得ない時期」と考え込んで腐りかけた。しかし年齢を重ね、負けを重ね、経験を重ねたからこそ「吸収できる自分」に変化。今では年間160日にも及ぶトレーニングに取り組み、ボブ・ブレット・コーチのいるイタリアへ、年に何度も足を運ぶ。以前は理解できなかった助言も聞き入れ、日程の組み方や体のケア、食事までチームで取り組んだ。

 松岡、錦織が10代で米国に拠点を移したのとは対照的に、プロ転向後も早大に籍を置き“純国産”と言われてきた。早大庭球部の土橋登志久監督(50)は「純国産でもできると証明してくれた」と喜んだ。

 4日の1回戦で世界ランク230位のクライン(英国)と対戦するウィンブルドンは、14年に18回目の4大大会予選挑戦で初めて本戦出場をつかんだ思い出の地。「(錦織)圭が日本のトップを独走中だけど、追いかけたい。ここまできた経験を考えれば上にいける」。年始に掲げた「トップ50入り」は3日にも達成する。次なる目標の「4大大会のシード」を掲げ、28歳の挑戦はまだまだ続く。

 ◆杉田 祐一(すぎた・ゆういち)1988年9月18日、仙台市生まれ。28歳。7歳でテニスを始め、湘南工大付高3年の2006年10月にプロ転向。18歳だった07年2月に国別対抗戦デ杯に初出場し、シングルスで最年少勝利(当時)。16年リオ五輪はシングルス2回戦で敗退した。右利き、両手バックハンド。176センチ、67キロ。

最終更新:7/21(金) 21:59
スポーツ報知