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信仰の道、息づく歴史 美濃禅定道を歩く

7/2(日) 8:55配信

岐阜新聞Web

 白山開山1300年の今年、岐阜県郡上市内では、白山信仰の歴史や白山文化を再認識する行事が各地で行われている。そうした中で改めて見直されているのが「美濃禅定道」。白山登拝の美濃側の拠点「美濃馬場」から白山を目指してその昔、何千何万の参詣者が歩いた道。同市白鳥町石徹白の「いとしろアウトドアフェスティバル」の一環で「白山古道トレッキング」が催され、参加者は信仰の道に思いをはせた。
 道は同市白鳥町前谷の集落の登り口から、同市白鳥町石徹白の桧峠までの約4キロ、高低差約300メートル。「石徹白古道」とも呼ばれ、現在の県道314号ができる昭和30年代ごろまで石徹白の住民が生活道として使っていた。
 トレッキングは、子どもの頃、古道を歩いていた地元の上村敏治さん(77)のほか、白山信仰に詳しい「美濃白山講」の前田真哉さん、山のベテランの和田大典さん、山本健司さんの4人の案内で県内外の22人が参加した。
 古道は見どころが多い。床並社跡は、この辺り一帯に病気が流行した際に建立された社の名残という。ほかに道からわずかにしか見えない滝「荒倉の滝」(別名見下ろしの滝)もある。中腹には「茶屋峠」があり、ここは江戸時代の「石徹白騒動」の際に、石徹白を追われた多くの住民が餓えと冬の寒さで亡くなった地であり、供養の石碑がある。ガイド役の上村さんらがこれらのいわれや歴史を伝えた。
 これまで白山信仰に詳しい人たちには知られてきたが、一般的にはあまり注目されてこなかった「美濃禅定道」。上村さんは「自分の子どもも孫も通ったことがないけれど、孫にもこうした道があったことを伝えたいし、一緒に歩けたら」と話し、1300年の節目を機に、古道が地元の人たちに再認識されることを願っている。古道は今後、市でも整備が行われる予定。

岐阜新聞社

最終更新:7/2(日) 10:12
岐阜新聞Web