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昆虫食、タイで人気 バーベキュー味スナックやパスタも登場

7/2(日) 6:01配信

北海道新聞

「栄養価が高く、健康的」と国連機関

 虫を食べる習慣のあるタイで、昆虫食ビジネスが活況だ。従来はカイコやコオロギなどをまるごと素揚げして食べるのが一般的だったが、最近はバーベキュー味のスナックやパスタなどが登場。原料として輸出する企業も出てきた。国連食糧農業機関(FAO)が「栄養価が高く、健康的な食糧源」と評価したことが追い風となっているようだ。

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 タイ中部ノンタブリー県の食品製造スマイルブルマーケティングは2015年から、昆虫スナック菓子「ハイソー」の販売を始めた。15グラム入り25バーツ(約82円)。コオロギとカイコの2種類あり、それぞれチーズやのりなど四つの味付けがある。人気が急騰し、昨年は生産が追い付かず、工場を2カ所増設。3千万バーツ(約1億円)を売り上げた。

 スナックは虫の原形をとどめているが、サクサクの食感や、袋入りで衛生的なことが消費者に受けた。タッドナット・チャンタタン最高経営責任者(44)は「子供や美容に関心のある女性に人気。低カロリーで高タンパクなため、先進国でも注目されている」と満足げだ。

コオロギ粉末入りパスタを日韓に輸出

 タイではもともと東北部のイサーン地域で昆虫を素揚げして食べる習慣があるが、最近は一見、昆虫食とは分からないような加工食品も増えている。

 15年創業のバグソルートリー(バンコク)は、コオロギの粉末入りパスタを開発し、日本や韓国などに輸出している。乾燥させて粉末にしたコオロギをパスタの生地に練り込むことで、昆虫食のイメージを薄めた。欧米への輸出も視野に入れている。

 創業者のマッシモ・リベルベリさん(50)は「昆虫はハンバーガーやクッキー、クラッカーなど多様な食品に使える。消費者の認知度はさらに上がるだろう」と期待する。

 昆虫食ビジネスが活発になったきっかけは、13年のFAOの報告だ。昆虫はタンパク質やビタミンなどの栄養価が高く、豚や牛より狭い土地、少ない餌で育つため、環境負荷が小さいことを公表。話題を呼び、参入する企業が増えた。

昆虫農場は2万カ所以上 大規模化も

 タイの昆虫専門家によると、13年時点で国内の昆虫農場は2万カ所以上あり、生産量は年千トン以上。近年は需要の増加から農家の大規模化も進む。タイ政府はビジネスの拡大を見据え、安全性などの生産基準を策定中だ。

 世界人口は50年には100億人に迫り、その胃袋を満たすには今より6割の食糧増産が必要と予測されている。タイ東北部のコンケン大のユパ・ハンブンソン准教授(55)=昆虫学=は「昆虫は栄養価が高く、環境にも優しい。人口増加や家畜の病気拡大などで食糧危機となった際にも活用できる」と話し、雇用や収入をさらに生み出す可能性にも期待している。(タイ・ノンタブリー県で堂本晴美)

北海道新聞

最終更新:7/25(火) 16:45
北海道新聞