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IHI、大型プロの建設事業で統括新組織 リスク見張る超エキスパート10人集結

7/2(日) 8:00配信

日刊工業新聞電子版

■損失リスク回避、子会社も一体運営

 IHIは液化天然ガス(LNG)プラントやボイラなど、大型プロジェクトの建設部門を再編する。プラントの新設や定期検査、改良工事などを統括する組織を新設。建設担当の関係会社も傘下に置き、一体運営でリスクを最小限に抑える。大型案件の建設工事は受注規模が大きな半面、工事遅延に伴うコスト増といったリスクが潜む。足元では東芝が原子力発電所の建設工事に絡み大規模損失を計上するなど、プラント各社は建設事業の改革が急務となっている。

 IHIの新組織「エンジニアリンググループ」は、ボイラやプロセスプラント、原動機などを手がける事業部門「資源・エネルギー・環境事業領域」に属する。建設子会社の元社長を含め、建設に精通したエキスパート10人で構成する。

 建設工事の工法改善や開発に加え、標準化・コストダウンの推進、関連部門へのフィードバックなどを主力業務とする。試運転を含めた建設工事価格の見積もりや建設計画の立案・遂行、現地工事で想定されるリスクの洗い出しなど行う。

 案件の計画段階から、建設、工場、設計、プロジェクト管理機能を統括し、各部門に対してきめ細かにフォローする。従来は建設部門は子会社が担当し、本体とは別組織で動いていた。このため意思疎通が希薄になるケースもあった。

 2016年度のEPC(設計・調達・建設)を軸とする資源・エネルギー・環境セグメントの営業損益は、北米のLNGプラント建設工事の遅延などを受け、106億円の赤字で着地した。

 17年度は工事採算の回復で230億円の黒字を見込む。今回の改編で組織の壁を取り払い、リソースの相互活用などを加速。リスクの大きな建設能力を高め、収益の長期的な安定化につなげる。