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世界初、両肺一つに再形成し移植成功 岡山大病院、状態良い部分活用

7/2(日) 23:30配信

山陽新聞デジタル

 岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は2日、前日に行った重い肺の病気を患う50代女性に対する脳死移植手術について、ドナー(臓器提供者)の両肺を分割し、一つの肺として再形成することに成功したと発表した。同病院によると、再形成する手法は世界で初めてという。女性の容体は安定しており、約3カ月で退院できる見込み。

 同病院によると、当初は両肺の移植も検討したが、ドナーの肺は左右とも下部の状態が良くなかったため、十分に機能していた両肺の上葉と呼ばれる上部のみで片肺を形成する方法を選択した。女性は左肺の病状がより悪く、ドナーの左肺上葉はそのまま左肺上葉として、右肺上葉は左肺の下部にそれぞれ移植した。

 執刀した大藤剛宏・臓器移植医療センター教授は2日会見し、再形成の手法は数年前から準備してきたと明らかにし「技術的に非常に難しい手術だったが、臓器が不足している現状では一つの肺も無駄にできない。一人の命を救えたことにとどまらず、(臓器の状態により)移植を断念するケースを減らすことにもつながる」と述べた。

 手術は1日午後1時25分に始まり、約9時間後の同10時37分に終わった。同病院での脳死肺移植は84例目、生体と合わせ168例目。

 女性は肺気腫を患い、2011年に脳死ドナーから右肺の提供を受けた。再び病状が悪化して慢性閉塞(へいそく)性肺疾患と診断され、15年に日本臓器移植ネットワークに登録していた。