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【ウルトラセブンを創った人たち】(12)アラシより力まずフルハシ

7/2(日) 15:01配信

スポーツ報知

 前作「ウルトラマン」からセブンに連続出演した主要キャストが2人いる。科学特捜隊・アラシ隊員を演じた石井伊吉(いよし=現・毒蝮三太夫)がウルトラ警備隊のフルハシ隊員で、ウルトラマンのスーツアクターを務めた古谷敏がアマギ隊員として出演した。

 当時、TBSは新番組放送時、視聴者をつなぎ留めるために前作出演者から1人を残す「スピンオフ方式」を多用していた。「ウルトラQ」でカメラマン・江戸川由利子を演じた桜井浩子が、「ウルトラマン」でも科特隊のフジ・アキコ隊員で出演したのもそうだ。今回は毒蝮が残留することになった。

 「『ウルトラマン』が終わる3か月くらい前に言われたのかな…でも、他の出演者には言えなかった。俺だけ残るなんて、何か悪い感じがしちまってね。ずっと内緒にしていたんだ」

 毒蝮はこう振り返った。いざ、「セブン」の撮影が始まってからは驚きの連続だった、という。

 「何が驚いたか、っていうと、ウルトラ警備隊の隊員服。色は落ち着いているし、脇腹の部分に黒い蛇腹みたいなものが付いて、着るとスマートに見える。ブーツも白くてさ。科特隊のカラーテストみたいなオレンジ色よりずっと良かった。ヘルメットも格好良かったよな。出てくるメカもウルトラホークなんて3つに分かれたりして…。警備隊の基地から発進するシーンもそうだけど『今度は格好いいなあ』って思った。蒸気機関車から電車、かまどから電気炊飯器になったみたいなもんだよ」

 ドラマ部分の本編撮影現場も和気あいあいとしていたそうだ。

 「桜井浩子は根っからの女優でね、俺がNGなんか出すと『ちゃんとやってよ!』って怒られたもんさ。ムラマツキャップの小林昭二さんも、我々の演技指導を含めて『お願いします』とスタッフに言われていたみたいだから、厳しかった。キリヤマ隊長役の中山昭二さんは、いい意味で軽い、というか、そういう空気を醸し出していたね。だから、我々も力を抜いてやれたんだよ」=文中敬称略

 ◆毒蝮 三太夫(どくまむし・さんだゆう) 1936年3月31日、大阪府生まれの東京育ち。中学入学後の48年に児童劇団に入り、本名・石井伊吉で俳優として活動。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」に連続出演した。67年から「笑点」に2代目座布団運びとして登場、68年12月15日の放送から「毒蝮三太夫」と改名した。現在はラジオで毒舌のパーソナリティーとして活躍している。

最終更新:7/2(日) 15:01
スポーツ報知