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青木宣親、日本人で43人目の「MLB投手」に MLBでは今季10人の野手が登板

7/2(日) 9:13配信

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野手登板はMLBの“苦肉の策”、日本人の野手登録の登板は2015年イチロー以来

 ヒューストン・アストロズの青木宣親は、6月30日(日本時間1日)のニューヨーク・ヤンキース戦の9回表にマウンドに上がり、6人の打者と対した。

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 4-10とリードされた展開で、ロナルド・トレイエス、タイラー・ウェードは歩かせ、クリス・カーターに左翼に二塁打を打たれ1失点。続くブレット・ガードナーは右犠飛で2失点目、ジャコビー・エルズベリーの遊ゴロの間に3失点目。最後はアーロン・ジャッジを中飛に打ち取った。

 外野手登録の青木の登板はもちろん初。NPBでも投手経験はない。

 これでMLB公式戦のマウンドに上がった日本人投手は、1964年の村上雅則以来43人目となった(オーストラリアとの二重国籍のマイケル中村を含む)。完了を記録した投手は36人目だ。野手登録での登板は2015年のイチロー以来となった。

 NPBでは野手登録の選手が公式戦のマウンドに上がることは、めったにないが、MLBでは珍しいことではない。

 ヒューストン・アストロズでは今季は青木が初だが、昨年は一塁手のタイラー・ホワイトと、捕手のエリック・クラッツが各1度マウンドに上がっている。

 いずれも今回の青木のケースと同様、大差がついた展開でのマウンドだ。MLBの選手枠(アクティブ・ロースター)は、8月31日までは25人。NPBの1軍選手登録より3人少ない。その陣容で、NPBより19試合多いペナントレースを戦う。勝敗に関係がない大差がついた負け試合に野手をマウンドに上げるのは、投手の消耗を防ぐための“苦肉の策”なのだ。

野手の「臨時登板」はベテランの「気配り」!?

 すでに今季のMLBでは青木以外に10人の野手がマウンドに上がっている。

 多くは1試合だけだが、ミネソタ・ツインズのベテラン捕手、クリス・ジメネスはすでに6回もマウンドに上がっている。これは珍しいケース。すべて大差の負け試合の最終回に上がり、完了しているが、5試合、6イニングを投げて7被安打1被本塁打、与四球奪三振ともになし、自責点4、防御率7.20。ジメネスは2014、16年にも合計3度マウンドに上がっている。

 またサンディエゴ・パドレスの捕手、クリスティアン・ベタンコートは4回マウンドに上がり、3回2/3で自責点6、防御率14.73を記録。今季から投手に転向した。 

 これからもわかるように、野手登録でマウンドに上がるのは控え捕手が多いが、同じパドレスのスター内野手、エリック・アイバーも今季、2度マウンドに上がっている。2013年WBCの優勝メンバーであり、ゴールドグラブ1回、オールスターにも1度選出されたアイバーだが、MLB12年目にして今季初めてマウンドに上がり、2試合で1回1/3を投げ1四球を与えただけで自責点0に抑えている。

 また黄金期のフィラデルフィア・フィリーズの正捕手で、今はシアトル・マリナーズにいるカルロス・ルイーズも今季、初めてマウンドに上がり1回自責点1に終わった。

 大谷翔平の「二刀流」とはまったく事情が違うが、こういう野手登録の「臨時登板」も、MLBの名物と言ってよいだろう。こういう登板が、選手の評価に影響することはないが、苦しい投手の台所事情を察して投げるのは、ある意味で、ベテラン選手の「気配り」ともいえなくはない。

 今後もいろいろな野手がマウンドに上がるはずだ。

広尾晃●文 text by Koh Hiroo

最終更新:7/2(日) 9:13
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