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福岡の古豪・柳川復活へ初の留学生主将 台湾出身の4番捕手 部員へ感謝のルーズリーフ「甲子園狙ってみよう」

7/2(日) 12:15配信

西日本スポーツ

 第99回全国高校野球選手権(8月7日から15日間、甲子園)の福岡大会(7月8日開幕)で、春夏通算16度の甲子園出場を誇る柳川が初の留学生主将を中心に古豪復活を目指す。2005年夏を最後に甲子園から遠ざかっているが、台湾出身の強肩捕手、黄誉謙(コウ・ユウチェン)主将(3年)が112人の部員を統率。今春の筑後地区大会では4強に入るなど調子は上向きだ。9日の初戦の相手も博多に決まり、一丸ムードは高まるばかり。胸に刻む「常笑野球」で完全燃焼の夏を誓った。

【写真】同級生に向けて黄主将が思いをつづったルーズリーフ

■部員112人を統率

 強肩と強打に加えて「心の強さ」も併せ持つ。創部から第何代目の選手かを表す数字が全員のユニホームの背に記されているが、今年の1年生は「72」を背負う。柳川の長い歴史の中で留学生が主将を務めるのは黄が初めて。「選手としての能力はもちろん、野球に取り組む姿勢、仲間への思いやり。何より、『覚悟』がある」。藤丸健二監督の信頼は揺るぎない。

 5歳の時にテレビで見た台湾と韓国の国際大会で野球の魅力に取りつかれ、白球を追ううちに日本の高校野球に憧れを抱いた。家族の理解もあり、高校進学前に柳川の聴講生として来日。一般生徒も暮らす寮で高校生活を始め、野球部に入部した。台湾にいたときから勉強していたとはいえ、聞き取りも含めて言葉の壁は想像以上だった。「自分の思いを伝える以前に、相手の言った言葉を聞いて理解することが難しかった」と振り返る。

 6番捕手で出場した2年夏は福岡大会の3回戦で九産大九州に敗れた。新チーム結成にあたり、部員間投票で9割以上の支持を集めて新主将に就任。これまで以上にチーム全体を見渡さなければならない立場となった。一方で昨秋は3回戦で福岡西陵に敗退。今春は初戦の武蔵台に4-13で大敗。結果が伴わないもどかしさに「自分に主将の資格があるのだろうか」と自問自答した。二塁のレギュラーでもある副主将の神向(かんざき)幸志朗(3年)にも何度も相談。聞き役に徹した神向は、個々の部員に合った声の掛け方やコミュニケーションの取り方を助言してくれたという。

 夏の福岡大会まで残り40日あまりとなった5月下旬、黄は3年生部員37人に向け、1枚のルーズリーフに思いをつづった。「口で伝えるのは苦手。文字できちんと伝わるように」。そこには「全力で(甲子園を)狙ってみよう」「甲子園までたどり着くにもみんなが必要にちがいないです」など感謝の言葉が並んだ。

 今春は4番に座るなど打線の中心。2秒を切れば速いといわれる二塁への送球は最速1秒9で、強気なリードでも投手陣を引っ張る。大好きな言葉は「常笑野球」-。第二の故郷・柳川で大好きな仲間たちと同じ目標に突き進める幸せを感じながら、笑顔でラストサマーを駆け抜ける。

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最終更新:7/2(日) 17:34
西日本スポーツ

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