ここから本文です

守れ足柄平野の自然 野鳥通じ環境破壊に警鐘

7/2(日) 7:59配信

カナロコ by 神奈川新聞

 足柄平野に生息する生物と自然をテーマにした講演会が1日、南足柄市内で開かれた。日本鳥類保護連盟元専務理事の室伏友三さん(68)が地域で観察できる多様な野鳥を紹介。野生動物の成育環境が人間によって破壊されていることなどに警鐘を鳴らした。

■野生生物をテーマに講演
 さえずりが「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)ホイホイホイ」と聞こえることから名付けられたサンコウ(三光)チョウ、東南アジアから飛来するキビタキ、コバルトブルーが鮮やかなカワセミ、ひなを育てるハヤブサ…。室伏さんが「日本列島を移動する約640種のうち、約4割はこの辺りで見ることができる」と説明すると、参加者から驚きの声が上がった。

 特にその存在を知ってほしいと強調したのは、水田で繁殖するタマシギ。以前は「静まり返った広い水田に、『コーンコーンコーン』という美しい鳴き声が響いていた」。だが、今はもう聞こえない。「水田に改良を加え、米のつくり方も変わったことで、タマシギのすみにくい水田になってしまった」。加えて、天敵のカラスも食害しているという。室伏さんは「足柄平野の初夏の風物詩だったタマシギが今、危機的な状況にあることを知ってもらいたい」と力を込めた。

 湯河原町出身の室伏さんは父親とともに植物採取に歩き回る中で、野鳥に興味を持ったという。「体験があったからこそ、今も自然環境への興味・関心は薄らいでいない」と室伏さん。「今の子どもたちには自然環境を体験的に知ることが欠けている」と指摘し、「今後、自然を見る目を持ったフィールドワーカーが育ってくれるのか、不安なところがある」と危惧した。