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ミリ波レーダーで自動運転用の高精度地図を更新、ボッシュとTomTom

7/3(月) 6:25配信

MONOist

 Robert Bosch(ボッシュ)とオランダの地図会社TomTomは2017年6月7日(現地時間)、ミリ波レーダーを使った高精度地図の開発に成功したと発表した。ミリ波レーダーのデータを高精度地図の作成に使用するのは「世界初」(ボッシュ)となる。

 ミリ波レーダーとカメラで収集した情報を統合してボッシュのクラウド上で地図データとして使える状態(Radar Road Signature)に変換。Radar Road Signatureは、TomTomが高精度地図に組み込んで更新していくだけでなく、自動車メーカーとも共有する。このシステムは2020年までに欧州と米国で製品化する。

 ボッシュは、自動運転向けのセンシングと高精度地図向けのデータ収集を兼ねられるミリ波レーダーも開発する。

●高精度地図を最新に保つには100万台必要

 自動運転用の高精度地図には複数のレイヤーがある。自車位置を特定するために道路の構造を記録した「ローカリゼーションレイヤー」、標識や速度制限、カーブや坂など、自動運転中の制御や車線変更を計画するために必要な情報を盛り込んだ「プランニングレイヤー」、渋滞や工事、利用可能な駐車スペースなど頻繁に変化する情報を反映させた「ダイナミックレイヤー」で構成されている。

 今回発表したRadar Road Signatureは、ローカリゼーションレイヤーの更新を容易にする。ミリ波レーダーを使うのは、検知範囲が広く、夜間や雨天など視界の悪い環境でも道路の構造を検出することができ、クラウドに送るデータ量を低減できるメリットがあるからだ。

 ミリ波レーダーを使うことにより、データ量は1kmあたり5KB(キロバイト)となる。ボッシュとTomTomはローカリゼーションレイヤーにカメラ映像を使ってきたが、カメラと比較してデータ量は半減、システムの負担も軽減できるとしている。なお、ミリ波レーダーのみで高精度地図を作成・更新するのではなく、カメラと併用することで、より詳細なデータを得られるようにする。

 ボッシュによれば、高精度地図を更新し続けるためには各地域で100万台の車両からデータを収集する必要があるという。高精度地図の作成にはレーザースキャナーやカメラなどを複数搭載した専用の測量車両を使うが、レーザースキャナーは量産モデルに採用するには現時点ではコストが高い。既に量産モデルで採用されているミリ波レーダーとカメラを使うことにより、低コストに多くの車両から高精度地図の更新に必要なデータを得られるといえそうだ。

 ボッシュは今後、自動運転向けのセンシングと高精度地図向けのデータ収集を兼ねるため、静止物と移動体の両方に対する検知性能を高めた次世代のミリ波レーダーを開発する。

最終更新:7/3(月) 6:25
MONOist