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【ミャンマー】【産業人材】東南アの経験に学ぶ AOTSの域内同窓会間で連携

7/3(月) 11:30配信

NNA

 海外産業人材育成協会(AOTS)の制度を使い日本で研修を受け帰国した研修生は、世界各国で同窓会を組織し活動している。会メンバーの同窓生同士の連携や、AOTSの研修事業への協力だけでなく、国をまたいで同窓会間でも連携。ミャンマー最大都市ヤンゴンで5月末、同窓生らの企業を対象にベトナムの同窓会から講師を招いた2日間のセミナーが催された。東南アジアでも後発のミャンマーが経済発展レベルが比較的近い東南アジアの国の経験を学び、自国の今後の発展に役立てようという試みだ。
 発展途上国同士の同窓会が互いに協力し、相互の発展を促す活動として「WNF(ワールド・ネットワーク・オブ・フレンドシップ)」と呼ぶプログラムがある。同窓会員やAOTS職員らからの寄付を財源とするWNF基金を使い、国をまたいだ専門家派遣による指導やセミナーを実施し、互いの経験を生かす枠組みだ。AOTSは基金を管理しプログラムの実施をサポートするが、活動の主体は同窓会にある。AOTSの同窓会は世界43カ国に計71あり、地域ごとに6つの連合を組織している。
 今年5月26~27日、ミャンマーで初となるWNFの活動が最大都市ヤンゴンで催された。2015年にミャンマーで開かれた地域連合の会議が契機になり、ミャンマーHIDA同窓会(MHAA)が、ベトナムAOTS同窓会(AVAS)事務局長で経営・技術振興研究所(iMT)最高経営責任者(CEO)のルー・ニャット・フイ氏を講師に招いて、セミナーと工場視察を行った。
 初日は座学で、フイ氏が「マテリアルフローコスト会計(MFCA)によるコスト削減と環境保護」と題して講演。環境会計の手法の一つを使ってコスト削減と環境対策をいかに同時に実現させるかを日本企業の実例を交えて話し、ミャンマー同窓会メンバーの工場経営者ら約30人が耳を傾けた。2日目はメンバーの一人であるチョー・フライン氏が経営するティザ・チョー・プロダクションの菓子・粉末飲料工場(ヤンゴン北部ミンガラドン工業団地)を訪問。グループごとに工場の各部門を視察し、前日の議論を踏まえて実際の工場で生産性向上やコスト削減に生かす可能性を探った。
 講師を務めたフイ氏はAOTSの研修などで何度も日本を訪問している。MFCAも日本のセミナーで学んだのがきっかけで、今ではベトナムで複数の企業へ導入を支援、他の国でも紹介している。フイ氏は「ベトナムは経済発展の過程で、環境を適切に守らず、多くの過ちを重ねた」と振り返り、「ミャンマーはまだ空がきれいで街に緑も多い。経済発展の早い段階から環境に配慮することが重要だ」と指摘した。
 ミャンマーがベトナムに学ぶような東南アジアの同窓会同士の協力については「日本などと比べ、域内国では経済発展レベルの差が小さい。似通った地域的な背景もあり、互いに理解しやすく、実務上も導入しやすい事例が多い」と意義を強調する。
 ミャンマー同窓会のチョー・ジン・ミョ事務局次長も、今回のWNFの活動について「製造業の参加者が多く、(MFCAによる)生産性向上とコスト低減は重要なテーマ。一方でミャンマーはサイクロン被害も多く、環境問題を考えていくことも重要だ。産業排水や廃棄物を適切に管理していかなければ、経済発展だけでなく人々の生活すら脅かされる」と手応えを感じた。
 (協力:AOTSヤンゴン事務所、※海外産業人材育成協会は7月1日付で、英文名称をThe Overseas Human Resources and Industry Development Association(HIDA)から、The Association for Overseas Technical Cooperation and Sustainable Partnerships(AOTS)に改めました)

最終更新:7/7(金) 14:15
NNA