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【ウィンブルドン選手権】錦織は省エネ戦法で苦手の芝攻略を

7/3(月) 16:45配信

東スポWeb

 男子テニスの世界ランキング9位・錦織圭(27=日清食品)にとって試練の大会となるのか。テニスの4大大会第3戦、ウィンブルドン選手権が3日、英国で開幕。グランドスラムでは唯一、8強進出を果たしていない苦手の芝コート大会だが、前哨戦を途中棄権したことでさらなる逆風が吹いている。GAORAテニス中継解説者の佐藤武文氏(46)は上位進出への羅針盤を示しつつ「重視すべきは芝より芝後」と気になる言葉も。その真意とは――。

 ウィンブルドンで7勝のロジャー・フェデラー(35=スイス)がV候補の一角に挙げるなど錦織の評価は依然として高い。だが佐藤氏は「今回はベスト8を目標にするのが一番いい」と現実的。1回戦の相手が世界ランク105位マルコ・チェッキナート(24=イタリア)で組み合わせはやや恵まれた印象もあるが、我慢の戦いを予想している。

 芝での勝率は59・2%で、ハードコートの68・4%、クレー(赤土)コートの71・6%に比べると低い。前哨戦のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)は2回戦途中で棄権。今季、芝でのシングルスは実質1試合しかこなしていないのもマイナス要素だ。

 全仏オープン後、フェデラーは芝を6試合、錦織が4回戦で当たる可能性がある同6位マリン・チリッチ(28=クロアチア)は8試合を戦った。同4位ノバク・ジョコビッチ(30=セルビア)も前哨戦のエイゴン選手権を4戦全勝で飾って優勝。

「これだけの選手がこれだけの試合数をこなしている。準備期間の長さが全く違う。(錦織は)体が万全だったとしても難しいという意見がある」(佐藤氏)。全仏前はジュネーブ・オープンに緊急参戦し、3試合を戦ったことが上位進出を後押ししたが、この方程式も使えなくなった。

 では、錦織に希望はないのか。佐藤氏は「1ポイントにかける時間を少なくすること」が勝ち上がりのための条件と見ている。芝では体力の消耗も早く、十八番のラリー戦は「もろ刃の剣。1、2回戦を勝ちましたとなっても、どこかしら体にひずみがくる」ため、ネットプレーや速攻を多用すべきと訴えた。

 体がもたなければ“勇気ある撤退”もやむなし。「ケガしたらどうしようもない。全米オープンやツアー・ファイナルのことを考えたほうがいい」と佐藤氏は先を見据えた行動を促した。

 ウィンブルドンが終われば、錦織が最も得意にしているハードコートのシーズンに再び突入する。現時点で錦織は、年間上位8人が出場できるATPツアー・ファイナルのランキングでは13位だが「ポイントを取ろうと思えばシーズン後半で取れる」(佐藤氏)。昨年は2回戦で棄権してしまった楽天ジャパン・オープンにしても、ピークさえ合わせられれば、優勝してポイント加算の可能性は高い。

 錦織は左臀部の影響で3日間寝たきり状態だったことを明かしているが、2日は会場で元気に練習。フアンマルティン・デルポトロ(28=アルゼンチン)と白熱した打ち合いで調整した。進むにしろ、引くにしろ、錦織が下す「選択」にも大きな注目が集まる大会となりそうだ。

最終更新:7/3(月) 16:45
東スポWeb