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藤井四段止めた、かつて天才少年と称された22歳の佐々木五段「意地を見せたかった」

7/3(月) 5:47配信

スポーツ報知

 ついに藤井が敗れた。快進撃に終止符を打った佐々木勇気五段(22)とは、どんな棋士なのか。スイス・ジュネーブ生まれのイケメンは、藤井の前に「天才少年」の異名を誇った男。列島が注目した大一番を制し、誰がなるのかと注目され続けた「藤井ストッパー」になった。

 「神の子」の進撃を止めたのは、かつて天才少年と称された青年だった。「もちろんプレッシャーは感じましたが、私たちの世代の意地を見せたかった。壁になってよかった」と22歳の佐々木は言葉をかみしめた。

 朝、対局室に到着した佐々木を待っていたのは多くの報道陣。藤井がベテランのように淡々と駒を並べたのに対し、佐々木は指先を震わせた。しきりに扇子を仰ぐなど落ち着かない様子だったが、「周りの雰囲気にのまれずに連勝を止める気で臨みます」という戦前に発表したコメント通り、初手からは目の色を変えた。

 体にこもる熱気を冷ますように水をぐびぐび飲み、終局後は2リットルのペットボトルが空になったほど。形勢は終始優勢だったが、時にじっくりと対応し、冷静に玉を追いつめた。「相手が強いのは実感していた。先手番が取れたのが大きかった」と対局の手応えを振り返りつつ「終盤で王手をかけた時にやっと勝てたかなと思いました」。緊迫感から解放された表情だった。

 スイス・ジュネーブで生まれ、小学4年時に小学生名人戦を制して天才少年と注目された。2004年、10歳で棋士養成機関「奨励会」入会。08年4月に三段リーグ入りしたのは、16年4月に藤井が塗り替えるまで最年少記録だった。

 自らの定跡を整備した「横歩取り勇気流」を駆使し、13年度に加古川青流戦で優勝。公式戦で羽生善治3冠(46)や渡辺明竜王・棋王(33)にも勝利した実績を持つ。攻めっ気は棋士仲間のフットサル部でも発揮され、ゴールするために前線に居座り続け、他の棋士に注意されたこともある。

 決勝トーナメントのカードが決まってから、藤井戦を強く意識。藤井の24連勝目、新記録の29連勝を飾った対局に足を運び、戦いを見守った。「対策はかなりしてきたので努力が実ってよかった」。イケメンとしても話題を集める精鋭が、“藤井キラー”として、さらに注目されそうだ。

 ◆佐々木 勇気(ささき・ゆうき)1994年8月5日、スイス・ジュネーブ生まれ。埼玉県三郷市出身。22歳。石田和雄九段門下。10年、四段(棋士)昇段。昨年の「将棋年鑑」で「一生お金に困らないとしたら」の質問に「100万円分の花束を買う」と答えたロマンチスト。独身。

最終更新:7/3(月) 5:47
スポーツ報知