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小高に書店を開店へ 芥川賞作家の柳美里さん

7/3(月) 10:22配信

福島民報

 福島県南相馬市在住の芥川賞作家柳美里さん(49)は11月にも市内小高区で書店を開店させる。カフェを併設し、地元の小高産業技術高の生徒や地域住民の交流の場にしたい考えだ。
 市内原町区にあった自宅を小高区のJR常磐線・小高駅近くに移し、併せて書店とカフェを設ける。2日、柳さんらが引っ越し作業に汗を流した。
 今年春に開校した小高産業技術高の校歌を作詞した縁で、生徒のためにできることはないか-と思案した末に浮かんだアイデアだった。書店では柳さんが選んだ書籍を中心に取りそろえ、生徒が本に親しめる場とする。午後9時台の終電時刻まで店を開け、部活動で帰りが遅くなる生徒が列車の待ち合わせ時間を利用してカフェで勉強したり、談笑したりできる空間とする。店名は初めて出版した小説のタイトルにちなみ「フルハウス」に決めた。大入り満員との意味を込めている。
 将来的には敷地内にある倉庫や蔵を改修して、地元住民による作品展や演劇を上演できる施設も設けたい意向だ。柳さんとファンとの交流行事も企画し、南相馬市の現状に理解を深める機会をつくることも視野に入れている。
 2日は長男丈陽(たけはる)さん(17)=原町高3年=と共に荷物を運び込んだ。飯舘村の綿津見神社の禰宜(ねぎ)多田仁彦(きみひこ)さん(45)を招いて復興と店の繁栄を祈願した。
 12日には一部地域を除いて小高区の避難指示が解除されて丸一年を迎える。柳さんは「歴史や住民の思いをつなぎ、街のにぎわいを呼び戻すきっかけになれば」と期待を込めている。

福島民報社

最終更新:7/3(月) 10:56
福島民報