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「患者シート」で他病院と情報共有 看護師が主導する地域連携

7/3(月) 11:17配信

山陽新聞デジタル

 看護師が主導する地域連携について、天和会松田病院(岡山県倉敷市)の門倉康恵外来主任に寄稿してもらった。

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 天和会松田病院(以下当院とする)は岡山県北に位置する新見市から紹介患者を多く受け入れています。新見市から当院のある倉敷市へは高速道路を使用して約1時間の距離にあります。時には緊急手術が必要になることもあり、昼夜を問わず、新見市の救急車で搬送されます。

 基本的に病院から病院への紹介は、医師が記載する診療情報提供書が中心となっています。当院は新見市のA病院と連携する中で、看護をするためには、医師の情報だけでなく、看護師同士の情報共有、連携が重要であると感じました。

 患者さんや家族の方はさまざまな不安や苦痛を抱えていらっしゃいます。診断・治療・看護すべてにおいて医療者と患者・家族には信頼関係という基盤が重要になります。紹介された新しい病院で、知らないスタッフに悩みを打ち明けることはそう簡単ではありません。だからこそ、患者さんやご家族が言えない不安に対して医療者側から介入していきたいと考えました。

 そこでA病院の看護師と協働して、患者情報シートを作成しました。このシートを活用して、情報共有に努めています。例えば、当院で化学療法(抗がん剤治療)を受けた新見在住の患者さんの具合が悪くなったときに、当院まで受診するのは大変です。そこでA病院に情報提供をしておき、診察や点滴などの処置がスムーズにしてもらえるようにしています。

 さらに当院とA病院の看護師で定期的にカンファレンスを行い、顔が見える連携を開始しました。A病院には医療ソーシャル・ワーカー(MSW)が常駐していないため、当院の社会福祉士が社会サービスや介護保険に関する情報提供をして、連携に協力してくれています。

 当院からA病院にがん化学療法の継続を依頼することもあり、その際は、がん化学療法看護認定看護師の私が電話での相談に応じ、指導しています。今では、お互いの外来看護師が治療中の経過や採血結果などを共有して、治療と看護に携わっています。お互いの顔が見えることで、連携はとてもスムーズに行えています。このように看護師が主導して行う病院連携はまだ少ないと思います。

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