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「最適生産体制目指すUACJ」〈石原美幸新生産本部長〉=品種移管、需給に合わせ柔軟対応

7/3(月) 6:01配信

鉄鋼新聞

 現行の3カ年中期経営計画の最終年度を迎えているUACJは、国内で最適生産体制の構築を進めている。今年度から生産本部のトップに就任した石原美幸取締役兼常務執行役員に、今年度目標や次期中期計画のテーマなどを聞いた。(遊佐 鉄平)

――製造部門のトップに就任したが抱負は。
 「前任が掲げていた“最適生産体制の構築“という方針をしっかり受け継いでいくことが第一。17年度は当社にとって中期計画の最終年度に当たり、安全や品質などで設定している目標値を達成していくことが重要。タイ・北米の生産拠点との連携も急務。または次の中期計画を練り上げるため、この3年間の成果と課題をしっかりと精査していく」
――最適生産体制の構築を進める上で、生産品種の移管も実施してきた。
 「ほぼ16年度末に終わる計画だったが、まだ若干残っている。5月末時点で顧客の認定は87%まで完了しており、それに伴う移管も77%程度まで来た。品種で言えば自動車熱交換器材はほぼ完了しており、缶エンドや箔地が今年度中に終了する予定だ」
――板圧延3工場の役割は現段階でどのようなイメージですか。
 「基本的に当初予定していた姿に変化はない。しかしながら中期計画を策定した当時の予想を上回る需要が足元も続いているためと、需給バランスの変化に合わせて若干の変更をした。例えば厚板専門工場とする予定だった深谷製造所では停止予定だった冷間圧延機のうち2つを当面動かすこととした。これにあわせて名古屋製造所に集中させる計画だった建材や印刷版の一部を、深谷製造所へ戻した。ただし深谷が利用する母材は、福井と名古屋が提供することになる」
――日光製造所の役割は?
 「自動車熱交換器材とディスク材の2つのスリット加工を手掛けている。国内需給がタイト化しているが圧延機を再稼働させるような予定はない。ただ日光には高いスリット加工技術があり、この技術をベースに新しい品種の加工を始められればと考えている」
――コスト改善の取組みは。
 「品種移管について見れば、進捗度はかなり高まっているが一部の品種についてスムーズな移管ができず“手戻り“となった製品もある。こうした部分はデリバリーコストも勘案した上で、一貫製造を基本に造りやすい拠点で造ることでコスト改善が図れるとみている」
 「また缶材や自動車熱交換器材を中心にスクラップ原料を多く利用している。原料を調達する上で、拠点間で最適なスクラップの融通体制を敷くことができれば原料コストをさらに下げることもできる」
――最近では配送コストも上昇している。
 「グループ全体で物流コストを下げる取組みをしているが、重要なのはトラックの最大積載化をどれだけ実現できるか。返りの便の荷を確保するためのルート計画などを正確にするべく、まずはデータを採集から始める」
――最後に18年度からの新中期計画において、製造の視点からテーマになることは。
 「大きく4つ考えていて、その1つ目は“適切な生産配置“。生産移管が完了してからも座りの良い生産体制に随時改めることが必要だ。2つ目は“コスト優位性の確立“であり、缶で言えば米ローガン工場のような世界的な競争力を目指していきたい。3つ目は輸送機類をはじめとした“成長分野への生産体制強化“。最後に“働き方改革“だ。アルミ板の生産量が今以上に増えていく中で、作業環境や労働環境の改善は重要になってくる。積極的にアプローチしていくことが必要だろう」
プロフィール
 長らく名古屋製造所に勤務し、設備や製造畑を歩んだ。名古屋製造所長や福井製造所長を務め、福井では名古屋での知見を生かして人材育成のための“三国板技塾“を開講した。趣味は山登り。今回の人事で東京に単身赴任となったが「土日には都内の美術館や庭園を散策するようにしている」と話す。
略歴
 1981年3月名古屋大学工学部卒、4月住友軽金属工業入社。2012年10月執行役員生産本部副本部長、13年10月UACJ執行役員、15年4月生産本部副本部長兼福井製造所長、6月取締役執行役員を経て17年円4月に生産本部長。岐阜県出身。1957年7月9日生まれ、59歳。

最終更新:7/3(月) 6:01
鉄鋼新聞