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日欧EPA 首脳会談へ外相訪欧 政治判断での譲歩懸念

7/3(月) 7:01配信

日本農業新聞

 日本と欧州連合(EU)は、6日の首脳会談での経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を目指し、最終的な調整に入る。首脳会談に先立ち、岸田文雄外相がEU本部のあるブリュッセルを4日にも訪れ、チーズや自動車といった残る懸案を巡り再び閣僚協議を行う。山本有二農相も同行や電話会談を行うことを検討している。EUの閣僚は「6日に政治的合意を宣言できる」との自信を表明。交渉は最大のヤマ場を迎えたが、双方の主張の隔たりは大きく、政治判断で譲歩する懸念が強まっている。

 日欧は、7日からの20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、6日にブリュッセルで首脳会談を行う方向だ。この場でのEPA交渉の大枠合意に向け、双方の閣僚や首席交渉官らの間で打開策を探る。交渉筋によると、EU側の懸念が強い投資家・国家訴訟(ISD)条項など一部の分野は積み残したままでも大枠合意を宣言する見通し。だが、「関税交渉は詰め切る」(交渉筋)という。

 日欧の閣僚は1日までの2日間、東京都内で断続的に協議を行ったが、「重要な論点が残った」(岸田外相)まま終わった。岸田外相と山本農相は協議終了後の1日夜、安倍晋三首相に報告し、首相は「引き続き全力で交渉に取り組むように」と指示。岸田氏は「G20の際の首脳会談を念頭に置きつつ、ぜひ大枠合意を実現したい」と語った。

 東京都内での2日間の閣僚協議では、岸田外相とマルムストローム欧州委員(通商担当)の交渉を中心に、山本農相とホーガン欧州委員(農業担当)を加えた4閣僚会談も実施。山本氏とホーガン氏の一対一の協議も断続的に開いた。だが山本氏によると、EU側の要求は強硬で「日本がのめる水準ではまだない」。焦点のEU産チーズの関税を巡っても「まだ隔たりがある」という。

 交渉関係者によると、日本製自動車の関税撤廃時期や政府調達、皮革製品の関税などを巡る交渉も難航している。一方、EU産木材製品にかける関税は一定期間をかけて撤廃する方向で調整が進むなど、進展もあったもようだ。マルムストローム氏は「6日の首脳会談で日欧首脳が政治的合意を宣言できる自信がある」と自身のツイッターで表明。山本農相も「(合意水準の)相場観をつかむことができた」と強調した。

 日欧はEPAの大枠合意の宣言で「世界の保護主義的な流れを断ち切る」(政府筋)と打ち出したい考えだ。日本にとっては、12日から神奈川県箱根町で開かれる米国以外の環太平洋連携協定(TPP)参加国による会合や、政権の支持率浮揚に向けた思惑もある。農業団体幹部は「合意ありきで安易に譲歩しかねない」と警戒を強める。

 自民党は2日夜、日EU等経済協定対策本部の西川公也本部長らが東京都内で会合を開き、対応を協議。農林幹部の訪欧も検討している。

日本農業新聞

最終更新:7/3(月) 7:01
日本農業新聞