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日本で「男女平等」は本当に望まれているのか(前編)酒井順子×ジェーン・スー

7/3(月) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

日本において「男女平等」は本当に望まれているのか。20代で専業主婦願望の女子が増えているという調査結果もある。著書『男尊女子』で女性自身の中の男女差別意識をあぶり出したコラムニストの酒井順子さんと、『今夜もカネで解決だ』を上梓したコラムニストのジェーン・スーさんにBusiness Insider Japan統括編集長の浜田敬子が聞いた。

【画像】酒井順子さん(右)とジェーン・スーさん。自身の中にもある「男尊女子」について語り合った。

Business Insider Japan(以下、BI):スーさんは酒井さんの『男尊女子』をどう読みましたか。

ジェーン・スー(以下、スー):同意するところがたくさんありました。決して強制や押し付けではなく、無自覚に男性を立ててしまう女性の気持ちもよく分かります。でも、残念ながら(男女同権は)最初から与えられた権利ではない。過去にそれを獲得するために努力してきた人たちがいるから故のもの。そう考えると、もっと男女が平等でなかった社会に再び戻るのもどうなのか、それは自分たちできちんと考えないといけないね、と酒井さんは読者に委ねています。読み手に相当な読解力が求められますが、考える余白を残すところがさすがだなと。私だったら絶対に「やっぱり平等じゃなきゃダメでしょ!」ってストレートに書きますから。

「尽くしたりするのも幸せなのかな」と考える瞬間が出てきた

酒井順子(以下、酒井):年齢の違いかもしれませんね。本の最後に映画「七人の侍」を見て思ったことを書きましたが、50歳を過ぎ、「男に守られて、尽くしたりするのも幸せなのかな」くらいのことを考える瞬間が出てきました。「男女平等」とばかり言っているのが実生活における幸せなのかしら、と疑問が湧いてきたのは、年をとったせいかもしれません。

スー:私は1973年生まれですが、私たち世代はどちらかというと、自己実現の名の下で仕事をし、仕事に生きがいを感じている人も多い。独身生活をエンジョイしながらも「どうしよう、結婚できない!」とも言うんですよね。酒井さんがブームを起こした「負け犬」世代の潮流の真ん中にいると思います。

今、20代は専業主婦願望の女性が多いと聞きますが、時代を振り返れば、上の世代は常に反面教師ということだけのこと。私たちの時もそうでした。ただ、私たちの上の世代の専業主婦と下の世代の「結婚したい、専業主婦になりたい」という思いは、ちょっと違うと思う。下の世代は夫の収入だけで贅沢に暮らしていこうなんて最初から思っていない。夫婦2人でライフサイズを少し小さくして、そこそこ働き、そこそこ食べていければいいという感じではないでしょうか。

BI:ある意味、「男女平等」なんですよね。

スー:持ちつ持たれつというか。都心に住んで贅沢な暮らしをする、高級車を所有するといった獲得による欲望を煽るのは、若い人にとってはすでに魅力的ではない。どちらかというとサステナビリティとか安定という方が大事なんだろうと思うんです。そうなると、私たちの思っている男女平等と20代前半の人たちが思う男女平等はだいぶ変わってくると思いますね。

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