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「指定国立大」に東北大・東大・京大を選定、その理由は?

7/3(月) 10:07配信

ニュースイッチ

産学連携、インスティテューショナルリサーチ、総括副学長制など

 文部科学省は2017年度からの新制度「指定国立大学」で東北大学、東京大学、京都大学の3大学を指定した。世界最高水準の教育・研究・社会貢献を目指す大学として、財務基盤と人材多様性などの先進的な構想が評価された。文科省は学長の裁量経費的に使える初年度予算計10億円で支援する。

 指定国立大は研究、社会連携、国際化すべてが国内トップレベルの7大学が申請していた。このうち東京工業大学、一橋大学、名古屋大学、大阪大学は「指定候補」となり、各大学が構想を再度練り上げ、17年度末をめどに再審査可能とした。

 今回指定された3大学は、改革構想と同時に土地や資産運用、学生の定員管理などで規制緩和を希望。省令改正などによる実現に向けて文科省と議論する。

 指定を受けた3大学の特徴として、例えば東北大・青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)が産学連携のイノベーション拠点であることが注目された。材料、スピントロニクス、未来型医療に加え、災害科学研究は世界的に価値が高い。

 東大は日本のシンクタンクとしての機能や世界的課題に挑戦する意識で存在感がある。データを使い大学運営の調査分析をする「インスティテューショナルリサーチ」機能も本格化している。

 京大は総括副学長(プロボスト)制が目を引いた。学長が資金獲得など渉外を担当、プロボストが学内運営を率いる米国大学スタイルだ。研究では人文社会科学の卓越性が期待されている。

<高いハードル、北大も九大も断念>

 世界最高水準の研究・教育・社会連携を実現する文部科学省の「指定国立大学法人」制度で、指定を目指して東京大学や京都大学など7大学が応募。各大学は戦略で個性を競い合った。指定によって可能になる規制緩和を活用し、改革をどう進めるのか。世界トップクラスの大学と社会のこれからのつながりを推し量る。

 狭き門を通った大学のブランド価値は確固たるものになる。しかし助成金を誘引に細かな指示を国が出す従来の事業と異なり、今回の公募要項は極めてシンプルだったため、対応に右往左往する大学が目立った。

 白紙に絵を描くような自由な提案が求められる一方、「研究」「社会連携」「国際」の全項目で国内10位以内という高いハードルが示された。

 その結果、旧7帝大のうち北海道大学と九州大学は応募断念に追い込まれた。「旧7帝大という言葉はもう使われなくなるのでは」と応募大学の幹部の1人は顧みる。

 前哨戦を勝ち抜いた7大学のうち、だれもが“当確”と予想したのは、全方位で強い東大と京大。次に、収益における外部資金比率の高さなどで、しばしば“別格”とみなされている大阪大学と東北大学の2大学だ。

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最終更新:7/3(月) 12:27
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