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宮下むつ市長、任期残り1年 下北圏域への定住促進に注力

7/3(月) 10:35配信

デーリー東北新聞社

 むつ市の宮下宗一郎市長(38)が6月29日から1期目の最終年に入った。2日までの本紙取材に、過去3年の成果として下北ジオパークの日本ジオパーク認定や財政調整基金の積み上げなどを強調。今後は数値目標を設定して政策を推進し、下北圏域定住自立圏構想の中心市として定住実績の向上に注力する考えを示した。

 ―就任以来、市政にどう向き合ってきたか。

 本州最北の地は、何もしなければ忘れられる。そのことが医療、インフラ、教育などの面で「遅れ」につながってきた。1次産業をはじめ、地域産業を強化するにも世界経済の潮流を把握する必要がある。

 地域振興には常に斬新な切り口が必要。市民とつながり、政策の力で地域を変えることが「地域の発信力」になる。時代の先を読んで「突き抜ける力」と、それを支える市民に「寄り添う力」の二つを軸に取り組んできた。

 ―3年間の成果を。

 昨年の下北ジオパーク認定は地域の潜在力を発揮できたという点で、むつ市の歴史的転換点だ。下北縦貫道10キロ区間も新規で事業着手された。「むつ☆ウオーカー」に代表される健康づくり事業は市民参加者が5千人を超えた。財政分野は、昨年度のふるさと納税が就任時の4倍となる1億円を確保。財政調整基金は不断の改革で3年前の15倍となる6億円に迫る。幅広い分野で変革の実感がある。

 ―原子力への姿勢は。

 下北の原子力施設は事業が計画通りに進まず、財政、地域経済に影を落とすが、国の方針は揺らいでいるとは思わない。エネルギー小国である現実を踏まえ、国全体で役割分担する、世代を超えた事業であるという視点で今後も対応する。

 一方、遠い将来、技術革新で原子力が過去のエネルギーとなった時、地域が自立して持続的発展を遂げられるかという視点も重要。それに向けた産業構造の転換に今から取り組んでいかないと間に合わない。

 ―市政運営の展望は。

 「鼓腹撃壌」という中国の故事がある。市民一人一人の笑顔のためには、一人一人のための政策が必要だ。今や対象を絞った形で政策の企画立案が求められる時代。むつ市では政策の「運営」から「経営」にかじを切り、数値目標を定めて総合的に推進する体制を整備した。「笑顔輝く 希望のまち むつ」の実現へ、市総合経営計画を本格的な実行に移していく。

 ―下北圏域定住自立圏構想の中心市の役割は。

 下北の町村は、むつ市のかけがえのない“家族”。具体的な政策で定住実績を上げる必要がある。これまでクラウドファンディング「ファーボしもきた」で住民の夢を応援するプログラムなどに取り組んできた。本年度は婚活事業を行う。広域で展開する事業のスケールメリットを生かし、多くの若者のマッチングに期待している。こうした政策が自動的に圏域内の連携を深化させていくはずだ。

デーリー東北新聞社