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<東松山少年事件>18歳少年の役割重視 検察側、6-10年求刑

7/3(月) 22:34配信

埼玉新聞

 埼玉県東松山市下唐子の都幾川河川敷で昨年8月、吉見町中曽根のアルバイト井上翼さん=当時(16)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年(18)の裁判員裁判の論告求刑公判が3日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で開かれた。検察側は「被告の指示が集団暴行へとエスカレートさせた」と少年の役割を重視して懲役6年以上~10年以下の不定期刑を求刑。弁護側は「育て直しと家庭環境の改善が必要」と保護処分が相当と主張し、結審した。判決は11日。

 検察側は論告で、「被告の役割は主導的であり、1時間以上も無抵抗の被害者に一方的に執ようかつ強烈な暴行を加え、刑事責任は極めて重大」と指摘。井上さんの「うそ」が犯行の発端となった点は「暴力肯定的な考えに基づくもので、正当化する理由になり得ない。犯行前から被告から暴力を受けるなどした被害者が、接触を避けたいという一心でうそをついたもので何ら非はない」と述べた。

 弁護側が保護処分を求めていることに対し、「少年院仮退院後の保護観察期間中に犯行を起こしており、法律や社会のルールを守る意識が欠けている」と刑事処分が相当とした。

 弁護側は犯行の背景を「複雑な家庭環境の中で十分な養育を受けておらず、問題解決の手段として暴力が身に付いていた。他者への依存性が強く、仲間のうそに過敏に反応してしまった」と説明。傷害致死罪で起訴された別の少年(17)が井上さんの顔を水に沈めたとされる暴行に触れ、「友人の気分を害することを言えないという他者への依存の強さから、暴行を止められなかった」と指摘した。

 少年は犯行当時、保護観察期間中で、事件は少年院仮退院から約5カ月後だった。弁護側は少年が更生できなかった原因を自覚しているとして、「被告の育て直し、家庭環境の改善が必要で、少年院での教育が不可欠」と主張した。

 最終意見陳述で少年は証言台の前に立ち、「被害者の心情を聞いて、僕がまだ全然考えられていなかったと反省した。検察側や弁護側が何を言おうと、自分自身が変わらないといけない。これから僕なりの償いを考えて行動していきたい」と述べた。

最終更新:7/3(月) 22:34
埼玉新聞