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PKO25年、可能性と限界は 厳しさ増す安保環境、岐路に立つ日本

7/5(水) 7:05配信

withnews

 冷戦後の世界への「国際貢献」を掲げた日本で国連平和維持活動(PKO)協力法が成立し、自衛隊が初めてPKOで海外に派遣されてから25年。東京都内で記念シンポジウムがありました。北朝鮮が弾道ミサイルを繰り返し発射したり、中国が軍事力を増強したり、日本周辺も物騒になる中、世界の平和にどう関わるか。熱い議論が交わされました。(朝日新聞専門記者・藤田直央)

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東京でシンポ、安倍首相がビデオメッセージ

 6月28日、東京・渋谷の青山学院大学。政府と同大学の共催で、シンポジウムは開かれました。25年前には生まれていなかった若い世代にも関心を持ってもらおうと、入り口には「PKO法協力法が成立」と1面トップで伝える当時の新聞が展示されていました。

 これまでPKO協力法により20カ国に1万2500人を派遣してきた活動の写真パネルも並んでいました。憲法9条との関係で海外での活動地域や武器使用に制約がある自衛隊が、主に施設や道路などのインフラ整備にあたり、現地に溶け込もうと住民との交流にも努めてきた様子がよくわかります。

 シンポが始まり、冒頭のビデオメッセージで安倍晋三首相が登場。冷戦終結直後の湾岸戦争で日本が人的貢献に踏み切れずにあまり評価されなかったことや、PKO協力法が世論が割れる中で成立したこと、最初の自衛隊派遣先となったカンボジアで日本人の国連ボランティアや文民警察官が武装勢力に殺害されたことをなどを振り返りました。

 そして、直近の南スーダンPKOへの自衛隊派遣に触れ、「駆けつけ警護など(安全保障法制による)新たな任務も担ったことは大きな意義を持つ」と強調。「25年の取り組みは国際社会から高い評価を得てきた。積極的平和主義の旗を高く掲げ、より一層貢献していく強い決意です」と語りました。

明石康氏「日本は岐路、チャンス生かせ」

 その後に登壇したのは、カンボジア暫定行政機構(UNTAC)特別代表として25年前に現地で自衛隊と協力した明石康・元国連事務次長です。

 「本来は停戦監視のため設立されたPKOだが、今や一国内や国をまたぐ民族、部族、宗教間の対立解消に懸命な努力を続けています」と述べ、21世紀に入っての「強力なPKO」への変化を説明しました。

 そのうえで、「国連加盟国の共同活動であり、侵略行為に発展して憲法に抵触することは考えられない。あつものに懲りてなますを吹くことがないよう祈りたい」と語りました。

 南スーダンの首都ジュバで大規模戦闘があった昨年以来、日本では自衛隊の派遣は憲法違反ではないのか、危険で活動どころではないのではといったことが議論になりました。施設部隊は今年5月に撤収を終え、日本はいま、PKOに部隊を派遣していません。明石氏はそんな日本の現状を案じているようでした。

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最終更新:7/5(水) 7:05
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