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「警視庁のイノウエ」「県警のカワグチ」 特殊詐欺、沖縄で被害急増 複数グループか

7/4(火) 6:30配信

琉球新報

 警察官や官公庁職員などを名乗ってだます振り込め詐欺の一種「おれおれ詐欺」が4月以降、沖縄県内で急増している。おれおれ詐欺は2011年以来6年間発生していなかったが、3日までに5件(うち1件は親族を名乗る詐欺)発生し、被害額は約6200万円に上る。

 被害には至っていないものの、沖縄本島中南部では「警視庁のイノウエ」「県警のカワグチ」などと名乗る不審電話が十数件以上確認されている。複数の詐欺グループが県内に入っている可能性もあり、県警は注意を呼び掛けている。

 犯人は、複数人で公的機関を名乗る「劇場型」で被害者の高齢者を信じ込ませ、直接対面して現金やキャッシュカードをだまし取る手法を取る。

 警察庁によると、全国のおれおれ詐欺認知件数は、17年1~4月で2260件となり、前年同期比419件多いペースで増えている。

 これまでは、東京や大阪など大都市圏で多かったが、大都市圏以外の地方に波及しているとの見方もある。県内でも17年1月から6月までのおれおれ詐欺の総被害額は6182万円となり、16年1年間の振り込め詐欺被害総額を上回った。

 4月上旬には那覇市に住む男性(69)が、警察官を名乗る男らに約5400万円の現金をだまし取られた。1人のおれおれ詐欺被害額としては県内過去最高となった。

 豊見城署と県警捜査第二課は6月17日、複数人で警察官と日本銀行員を名乗り豊見城市内に住む男性(75)から現金をだまし取ろうとしたとして、詐欺未遂の容疑で自称大分県在住の少年(19)を逮捕した。

 少年は「(現金を受け取る)『受け子』として沖縄に来た」と話しており、県外での犯行の可能性も指摘される。捜査関係者は「大都会の拠点などから指示があって動いているだろう」と上位にいる詐欺グループの解明を進める。

 県警安全なまちづくり推進室は「高齢者は日頃関わりのない警察や金融庁などから電話が来ると、返答しないといけない心境になるのかもしれない」と被害者の心理状況を説明する。

 対策については「広報や啓発しかない」とし、「暗証番号など個人情報を警察が聞くことはあり得ない。まず疑うことが大事だ。一度電話を切り警察などに相談してほしい」と呼び掛けている。(金良孝矢)

琉球新報社

最終更新:7/4(火) 6:30
琉球新報