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ともに監督2年目…ラミDeNAと由伸巨人“明暗逆転”の理由

7/4(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「もちろん痛いです」

 2日のDeNA戦に大敗した巨人の高橋由伸監督(42)の言葉に力はなかった。菅野、マイコラス、山口の“先発3本柱”を立て、同一カード3連敗を食らったのだから、それも当然だろう。

 1日に自力優勝が消滅したばかりだが、これで3位DeNAとのゲーム差も6.5。Aクラス入りさえも遠のきつつある。

 2年前の2015年、2位だった巨人は最下位のDeNAに13ゲーム差をつけていた。それが昨年、巨人に高橋監督、DeNAにラミレス監督(42)が就任すると風向きが変わり始めた。CS第1ステージで3位のDeNAが2勝1敗で下克上。今季は、5位に低迷する巨人を尻目にDeNAは2位をうかがうなど、立場が逆転した。

 戦力は巨人に分がある。支配下選手の平均年俸(選手会調べ)を見ても、巨人の6043万円に対して、DeNAは半分以下の2600万円で12球団最低にもかかわらずだ。

■桑原と倉本を固定し起用し続けたラミレス監督

「高橋監督とラミレス監督の差が影響していると思います」と、ライバル球団のスコアラーがこう言う。

「巨人は個々の選手の力で相手を圧倒する戦い方をしてきた。高橋監督のやり方も、まさにそれです。良く言えば大人のチームですが、悪く言えば選手任せ。それで勝てればいいですけど、選手が実力を発揮できないと、13連敗したようにまったく手の打ちようがなくなる。開幕スタメンに抜擢した若手の岡本を1カ月もたたないうちに二軍に落とすなど、若手を育てようという意思も見えてこない。その点、ラミレス監督は限られた戦力の中で、選手を生かすための最善策を考え、手を打っている。最たる例はこの日、4安打2打点の活躍を見せた倉本、前日の試合で逆転満塁本塁打を放った桑原の起用でしょう」

 昨季レギュラーを掴んだ2人は、開幕から打撃不振に陥った。倉本は4月終了時で打率.195、桑原は5月下旬に打率・200まで落ち込んだ。チーム内でも「スタメンから外すべき」という声が上がったが、ラミレス監督は起用し続け、試合に出しながら調子を上げようとした。

「ラミレス監督は2人が活躍しなければ優勝はおろか、上位進出はできないと腹をくくっている。中でも、倉本を生かすために苦肉の策として編み出したのが『8番投手、9番倉本』の打順です」と、球界OBが言う。

「ラミレス監督は倉本に、『リードオフマンの気持ちで1番打者につなぐ役割を果たして欲しい』と伝えている。不振だからと8番に置いた場合、次が投手だと敬遠で勝負を避けられやすくなるし、甘いボールが来る可能性も低くなる。投手より後ろに置いて復調を促しつつ、上位へのつなぎ役を果たしてもらおうという考えです」

 カブスの名将・マドン監督からインスパイアを得たとの話もある。前年まで5年連続最下位だったカブスの監督に就任した15年、8番に投手、9番に若手内野手のラッセルを起用して育成を促した。ラッセルは不動のレギュラーに成長し、翌16年ワールドシリーズ制覇の一因となった。

「ラミレス監督が4番だった筒香を3番のロペスと入れ替えたのも、股関節痛と四球攻めに苦しんできた筒香の負担を減らしたいと考えてのこと。4番に好調のロペスが控えていれば、相手バッテリーも筒香と勝負せざるを得ない状況になる。その効果があったのか、この日は11号2ランを放ちグングン調子を上げてきた。一方、巨人は長野を1番で起用しているが、長野は足の状態が万全でないうえに走れない。足が使えない選手を1番で使っても怖さは感じません」(前出のスコアラー)

■高橋監督とは覚悟が違う

 また、高橋監督とラミレス監督とでは、置かれた立場が違う。

 高橋監督は生え抜きスター監督だから巨人は簡単にクビにはできない。ラミレス監督は今年で2年契約が切れる。成績が自身のクビに直結するのだ。

「ラミレス監督は『周りから反対意見が出ることがあるだろうけど、自分の考えを信じている』と言っている。データを重視しているのがいい例です。5月14日の阪神戦、14年4月から8連敗していた右腕の藤浪が右打者への四死球が多いことに着目し、二塁に右の田中浩を起用。この試合では結果が出なかったが、26日の対決では再び田中を起用して勝利した。1度失敗したくらいではやり方を曲げない。いい意味で頑固で覚悟がある。ベネズエラの貧しい家庭に生まれ、米球界挑戦を経て日本で2000安打を達成するなど、タフでクレバーに生きてきた男です。アマ時代から大きな苦労なくスター街道を歩んできた高橋監督とは覚悟が違います」(マスコミ関係者)

 打順変更などの打つ手がはまり、試合後は「勝てて非常にうれしい。すばらしい打撃だった」と冷静に話したラミレス監督に対し、選手任せの高橋監督は采配らしい采配もせずにネット上では「地蔵」と揶揄される。ともに2年目を迎え、監督の差が今、如実に表れ始めている。

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