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数百億円をポン!と大学に寄付する、米国超富裕層の心意気

7/4(火) 20:35配信

投信1

米国の超富裕層は多額の寄付を大学に行う

米国では数百億円以上の金融資産を保有する超富裕層が、出身大学に多額の寄付を行います。

たとえば、ナイキの創業者であるフィル・ナイト氏はオレゴン大学に5億ドル(約560億円)を、オラクル会長のラリー・エリソン氏は南カリフォルニア大学に2億ドル(約220億円)を寄付しました。このほか、映画監督のジョージ・ルーカス氏は同じく南カリフォルニア大学に、これまで2億ドル(約220億円)近くを寄付しています。

ハーバード大学は4兆円もの金融資産を運用する

一方、寄付を受ける側の大学も巨大な金融資産を保有し、毎年運用収益を得ています。たとえば、ハーバード大学は約4兆円、テキサス州立大学は3兆円、イェール大学も3兆円程度の金融資産を保有するなど、米国の大学全体では約60兆円もの資産を運用しています。実は米国では、大学は金融市場におけるビッグ・プレーヤーの一つなのです。

では、なぜ米国の超富裕層は大学に多額の寄付をし、大学はそれを受け入れて運用しているのでしょうか。実は、そこにはWin-Winの関係があるからなのです。以下に、その秘密を探っていきましょう。

寄付金は非課税となる

米国では非課税対象団体(Exempt Organizations)に寄付を行えば、寄付をした個人の所得から寄付額の最大50%を控除することができます。それら非課税寄付団体は、米国の国税庁にあたるIRS(内国歳入庁)が決定しますが、全米では町のサッカークラブから教会やアイビーリーグの大学に至るまで、なんと102万9,889もの団体があります。ちなみに日本でも多くの非課税団体があります。

たとえば、年収10億円の超富裕層がいたとして、実質的な個人所得税率が40%だった場合、税金は4億円になります。このまま何もしないと、税金は国に召し上げられておしまいです。ところが、年収の半分である5億円を寄付したとすると、この50%、つまり2億5千万円が所得控除対象ですから、所得税は7億5千万円の40%、すなわち3億円で済むわけです。寄付をしなかった場合と比べて、1億円の“節税”になるわけです。

加えて、控除額が課税対象以上の場合には、控除の繰り越しが可能ですから、これまで資産を積み上げてきた超富裕層が、一時に所得以上の寄付をした場合(例:冒頭の3氏)、所得控除額>所得額、ということで翌年以降所得税がゼロということも考えられます。

もっとも、寄付者にとってみれば節税要因もさることながら、お金の使い道が明確だということがメリットでもあるのでしょう。前述のフィル・ナイト氏はオレゴン大学の理学研究所への寄付ですし、ラリー・エリソン氏は南カリフォルニア大学ガン研究所に、ジョージ・ルーカス氏は同大学の映画学部に寄贈しています。

寄付者の名前が永久に残って、使い道がハッキリしているならポンと払う。それが米国超富裕層の心意気なのです。

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最終更新:8/19(土) 4:45
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