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インフレ低下と株価上昇は危険なランデブー~各国中銀がタカ派に?

7/4(火) 17:25配信

投信1

ここ最近、ウォール街の市場関係者は中央銀行からの相次ぐタカ派発言に悩まされていますが、その伏線には”BISビュー”があると考えられています。今回は、このあまり聞き慣れないBISビューの解説を中心にポイントを整理してみました。

低インフレであっても低金利は金融と経済のリスクを高める

先週は欧州を中心に株価が急落しましたが、きっかけはドラギ総裁の「デフレ圧力がリフレに変わった」との発言でした。リフレとはデフレからは脱した後、まだインフレが進んでいない状況のことですので、ユーロ圏の現状を表すのにこれ以上適切な表現はありません。

では、なぜ至極妥当な発言が市場を揺さぶったのかというと、BIS ビューと呼ばれる金融スタンスが伏線となっていた模様です。

国際決済銀行(BIS)とは、日本を含む60カ国の中央銀行が加盟する、中央銀行の中央銀行のような存在で、加盟国の通貨や金融システムの安定を目指しています。民間銀行の自己資本比率を定めたBIS規制で有名です。

このBISが6月25日に年次総会を開き、報告書で「インフレ率が上がらなくても、長期にわたり金利を低すぎる水準に維持すれば、金融安定とマクロ経済のリスクを将来的に高めかねない」と指摘していました。

指摘そのものに目新しさはなく、従来からBISビューとして知られていましたが、低インフレが緩和的な金融政策を保証していると安心していた市場にはドラギ総裁の発言がこのBISビューと重なり、従来の方針からの転換と映ったようです

BISビューとFEDビュー、バブルは予見可能なのか?

BIS ビューの対義語として”FED ビュー”というものがあります。違いの一つはバブルへの対応にあり、BISビューはバブルは予見可能でありその芽を摘むことを是としていますが、FEDビューではバブルかどうかははじけるまでわからないと考え、中央銀行の役割はバブルがはじけた後にその影響を緩和することにあります。

やや極論になってしまいますが、BISビューはバブル潰し、FEDビューはバブル容認との印象を与えます。実務レベルではFEDビューが多数派であり、BISビューは異端に近い扱いでしたので、中銀トップからBISビューが出ること自体がサプライズとなる恐れがあります。

ちなみに、BISビューとFEDビューは造語であり、国際決済銀行(BIS)や米連邦準備制度理事会(FRB)の公式見解ではありません。BIS関係者や欧州中銀に比較的多く見られる意見としてBISビュー、FRBに多い見解としてFEDビューと呼ばれています。

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最終更新:7/4(火) 17:25
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