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LGBT 日本の現状は? トランスジェンダー活動家・杉山文野さんに聞く

7/4(火) 17:30配信

高校生新聞オンライン

 高校生の理解を深めようと、今年度の教科書に初めてLGBT(性的少数者)という言葉が登場し、注目が集まっている。自身もトランスジェンダーであり、日本最大のLGBT啓発イベント「東京レインボープライド」共同代表理事も務める杉山文野さんに、LGBTをめぐる日本の現状や高校生が知っておくべきことについて聞いた。

色眼鏡なしにその人を見て

――LGBTの当事者は日本にどれくらいいるのでしょうか。

 国内や海外のさまざまな調査を集約すると、割合としてだいたい5~8%といわれています。日本の人口でいうと1000万人近くになります。左利きやAB型の人と変わらない数字です。日本で多い名字トップ4は佐藤さん、鈴木さん、高橋さん、田中さんですが、これらの人の割合は人口の5~6%といわれています。皆さんにこの名字の友だちはいると思うし、クラスにも1、2人はいますよね。「LGBTの人なんか会ったことないよ」と思うかもしれませんが、実はそのくらい身近な割合でいるんです。

――自分の周りにはいないと思っていても、必ずいるということですね。

 はい。セクシュアリティは「自己申告制」なので、目には見えない。でも「いない」んじゃなくて、当事者が「言えない」という現実があるんです。僕が高校などで講演すると必ず、メッセージカードや感想欄に「実は自分もそうです」「実は友だちに相談されたことがあります」という声が含まれていますね。

認知進むも法整備に遅れ

――日本の現状は海外と比較してどうですか。

 国連加盟国193カ国のうち80カ国以上は、いまだにLGBTという理由で犯罪になったり死刑になったりする可能性のある国です。そういう国と比べれば日本は進んでいるといえるかもしれませんが、法整備でいうと、差別禁止法もなければ同性婚もできないし、トランスジェンダーの性別変更の条件も厳しい。先進国としては非常に遅れています。

――LGBTへの認識は近年、変化していますか。

 僕が本(ダブルハッピネス)を出した11年前は、性同一性障害がほとんど認知されていなかったのですが、この10年でLGBTという言葉が一般常識的に使われるまでになりました。

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