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3Dプリンター製の樹脂造形品にメッキ被膜、高秋化学が形成技術を開発

7/4(火) 16:00配信

日刊工業新聞電子版

■クロム酸使わず前処理工程3分の1

 高秋化学(新潟県燕市、高橋靖之社長)は、燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市)と共同で、樹脂製の3Dプリンター造形品にメッキ被膜を形成できる技術を開発した。処理前に比べて耐摩耗性などを高められる。前処理工程も3分の1に短縮できる。機械部品や金型に加えて、抗菌性が必要な医療や農業分野の製品など幅広い用途を見込んでいる。

 今回の技術開発は、燕三条地域の企業の技術開発支援を手がける同センター主催の「表面処理技術研究会」での成果。同センターが材料表面の粗さなどの評価を担当し、高秋化学はメッキの密着性のテストなどを実施した。樹脂造形品へのメッキ加工では、通常、材料として密着性に優れるABS樹脂を使用する。

 ただ、3Dプリンターで作製した樹脂造形品の場合、メッキ処理に適したABS樹脂がほとんど流通しておらず、被膜するのが難しかった。

 材料表面に凹凸を設ける独自技術や親水化の付与によって密着性を高めた。耐摩耗性や抗菌性、平滑性などを向上できる。通常のメッキ処理で必要なクロム酸を使わないため前処理工程を3分の1に短縮できるほか、環境負荷や処理コストの低減につながる。

 材料としてはナイロン樹脂やポリ乳酸樹脂、エポキシ系樹脂などに、造形方法ではレーザー焼結方式や熱溶解積層方式、光造形方式に対応。熱溶解積層方式の3Dプリンターを使って作製したポリ乳酸樹脂の造形品に厚さが数十マイクロメートルのメッキ被膜を形成したところ、曲げ強度が処理前の2倍程度、曲げ弾性率は同5倍程度に向上した。

 同社は、今回の技術をメッキグレード以外の樹脂製3Dプリンター造形品へのメッキ処理に適用することで、用途がさらに広がるとみている。例えば、抗菌性が必要な農業や医療分野の製品、耐摩耗性や剛性が欠かせない機械部品・金型の試作などでの需要を想定している。