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【ウルトラセブンを創った人たち】(14)「ウルトラマン」の“中の人”がアマギ隊員

7/4(火) 15:00配信

スポーツ報知

 俳優でありながら前作「ウルトラマン」ではウルトラマンのスーツアクターを務め、慣れないアクションシーンなどに挑戦した古谷敏。ウルトラ警備隊のアマギ隊員役は、いわば約1年間におよぶ「ウルトラマン」の撮影に奮闘した、ご褒美のようなものだった。

 「『ウルトラマン』の撮影が終わってすぐに、円谷プロ演技課の新野悟さんから『次は顔出しだよ。警備隊の隊員をやってもらうから』と言われました。スタッフから評価してもらった結果かな、と思った。マスクの中から見ていた科特隊のハヤタ(黒部進)たちは本当に格好良かったけど、今度は僕が隊員服を着る…うれしかったですね」

 だが、葛藤もあった。ウルトラマンをデザインした美術担当の成田亨は、次作も古谷がスーツアクターを務めると信じ、セブンのデザインを始めていた。ウルトラマン同様、古谷が中に入って決まるデザインに、だ。

 「成田さんに『今度は顔出しですよ』と伝えると、すごくガッカリというか、ショックを受けた様子でしたね。でも、吹っ切れたのか『ビンちゃん(古谷)が着て、ビシッと映える隊員服をデザインしよう』と言ってくれたんです。それが、今の警備隊の服です。僕が着ると少し痩せ過ぎに見えちゃったけど」

 古谷は最終回「史上最大の侵略 後編」でのモロボシ・ダンのセリフが忘れられないと言う。

 宇宙人との激しい戦いにより、体が限界を迎えたセブン。ついにアンヌに正体を明かし、ゴース星人との戦いに臨もうとする。引き留めるアンヌにダンはこう言った。

 「アマギ隊員がピンチなんだよ」

 ゴース星人に捕らえられたアマギを救うため、ダンはウルトラアイを装着した―。

 「あれがセブンの本質なんです。一人の人間を救う。個人を救うことが、ひいては地球全体を救うことになる―というね。アマギは『魔の山へ飛べ』(第11話)でダンの命を救っているんです。世話になったアマギを救うために傷付いた体でセブンは戦った。M78星雲に帰るセブンを見送るシーンは、本当に感極まりましたね」=文中敬称略

 ◆古谷 敏(ふるや・さとし) 1943年7月5日、東京都生まれ。東宝演劇学校卒業後、東宝に第15期ニューフェイスとして入社。62年「吼えろ脱獄囚」(福田純監督)でデビュー。66年「ウルトラQ」ではケムール人などのスーツアクターを務めた。長身痩躯(そうく)の体を買われ、続く「ウルトラマン」では主役のスーツアクターに。09年12月、初の自叙伝「ウルトラマンになった男」(小学館)を出版。

最終更新:7/4(火) 16:31
スポーツ報知