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再処理工場の新基準対策費、7000億円増額

7/4(火) 10:55配信

デーリー東北新聞社

 使用済み核燃料の再処理事業などを担う国の認可法人「使用済燃料再処理機構」(青森市)は3日、業務委託先の日本原燃が六ケ所村で運営する再処理工場について、新規制基準適合に要する対策費用が約7500億円に膨らむ見通しを明らかにした。これを受け再処理機構が総事業費を精査した結果、40年間の操業や廃止措置、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理などを含め約12兆6千億円とされていた試算は約13兆9千億円と、1兆円以上増えることが分かった。

 また、MOX(プルトニウム・ウラン混合酸化物)燃料加工事業費については、工場の詳細設計が固まったのに伴い、従来の約1兆2千億円から倍近い約2兆3千億円に跳ね上がることも判明した。

 再処理機構は同日、電力小売り全面自由化に伴い、原発を持つ大手電力11社が新たに支払い義務を負う「拠出金」の単価が6月30日付で経済産業相から認可されたと発表。前年度の使用済み核燃料の発生量に応じ、原発が稼働している四国電力から約63億円、九州電力から約81億円を、それぞれ機構発足後の16年度下期分として収納した。

 拠出金は原燃の新基準対策費用が算定根拠。約7千億円の増額は、原燃がこれまでに見込んでいた対策費用(約540億円)の約14倍になる。

 機構によると、内訳は緊急時対策所、貯水槽新設、耐震工事の増加など。総事業費増額分の残り約6千億円は、従来の試算に含まれていなかった機器更新などという。

 ほぼ倍増したMOX事業費について、機構は「1兆2千億円は概念設計もない段階で試算したもの。今回、正確な設計を基に原燃が初めて算定した。状況が異なる」と釈明した。

 今回判明した事業費の大幅な増額は、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉に伴い「準国産エネルギーの実現」という核燃料サイクル本来の意義が後退する中、再処理やMOX燃料加工に巨費を投じる妥当性など議論が再燃する可能性もある。

 3日、青森県庁で取材に応じた機構の村永慶司理事は「引き続き安全確保、コスト最適化に向けた取り組みを進める」と述べた。また、原燃報道部は「安全、安心をつくり上げるために必要不可欠なものと考える」とコメントした。

デーリー東北新聞社