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トランプ政権初の台湾への武器売却決定…4億ドルが高性能レーダー費へ

7/4(火) 6:01配信

ホウドウキョク

アシスタント・千代島瑞希
アメリカ国務省によりますと、トランプ政権は6月29日、台湾に対して総額で14億2千万ドル=およそ1,600億円相当の武器を売却することを議会に通知しました。

岡部さん作成の解説イラストはこちら

輸出品目には早期警戒レーダーに関連した技術支援や、ミサイルなどが含まれています。実現すれば、トランプ政権として台湾への武器売却は初めてとなります。

アメリカ政府は台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」原則を尊重する政策にかわりはないと説明していますが、中国はさっそく、「米中関係を損なう決定」だと反発しています。

能勢伸之解説委員
この武器売却額の14億ドルのうち目立ったのは4億ドルを占めることになった超大型早期警戒レーダーのEWRなんですね。
ここに台湾のEWRの衛星画像があります。

これは楽山(ルーサン)という山の頂上にあります。

軍事評論家・岡部いさく氏
上から見ると三角形の建物がわかりますね。側面に巨大な四角いアンテナがついています。少なくとも2面あるんですが能勢さん、どっちを向いているんですか?

能勢解説委員
それなんですよね…この早期警戒レーダーは設計としてはアメリカの戦略レーダーをベースにしていると言われていて…

岡部氏
そう、ロシアから飛んでくるICBMをいち早く察知するための超長距離レーダーで、探知できる距離が3,500kmとか4,000kmとか言われているんですが本当のところは誰もわからない。

能勢解説委員
そういうレーダーがこの場所にあるということなんです。これまでも岡部さんがイラストを描いて説明してくださいましたね。

岡部氏
アメリカのミサイル防衛の心臓部はこのハワイにあるC2BMCで、日本の青森県つがる市の車力、ならびに京都府京丹後市の経ヶ岬にあるTPY-2レーダーとかと連携しているんだけど、この台湾にある、おそらくは超長距離探知能力のあるEWRがC2BMCとはたしてどういう関係にあるんでしょうね?ということです。

能勢解説委員
C2BMCで公表されている繋ぎ先は日本にあるTPY--2レーダーです。これが北朝鮮の弾道ミサイルなどを見張っていて、そのレーダーがキャッチしたデータを日本にもどしてくるという構造になっているわけです。

そこにこの台湾のEWRのデータがリアルタイムで入っているかどうかというのがポイントです。C2BMCに入ったデータの一部は日本に入ってきています。そうすると公式には言っていないけれども台湾の高性能レーダーの情報が瞬時にリアルタイムで日本に入ってるのかが気にかかるところなのです。

発表されたばかりの情報によるとこのEWRは「戦域弾道ミサイルのリアルタイムのキャッチ」それから巡航ミサイルや航空機を示す「空気を取り入れる標的」=エアーブレッシング・ターゲットも捉える、さらに洋上の艦船も捉えると、しかもそれら全てを複数同時に捉えることができる…

すなわち現実のシチュエーションとして弾道ミサイル、そして巡航ミサイルも複数同時に飛んで来るという可能性があるという今、それらを同時にリアルタイムで捉えることができるわけで。

岡部氏
このEWRレーダー関係のアメリカからの売却価格な4億ドルということですが、中身を大きく変えるということではなくて保守、維持管理という項目になっています。アメリカとしては、この地域の軍事バランスを変えるものではないとしているそうですが、いずれにせよ近代化をするんですよね…

能勢解説委員:はい、その近代化をするとどうなるんでしょうねということです。
( 文責:松島 スタッフ:能勢・北原 )

6月30日(金)「週刊安全保障」より