ここから本文です

【ブラジル】伯産食肉、輸入各国が検査を強化 伯も基準引上げ、しかし運用は困難

7/4(火) 5:57配信

サンパウロ新聞

 ブラジルから食肉を輸入している北米、欧州、そしてアジアの国々はそれぞれ、自国の消費者らを守るためにブラジル産牛肉などに対する検査基準を強化した。この動きは、ブラジルの食品衛生管理当局が関与している汚職スキームを捜査する連邦警察の作戦「カルネ・フラカ」が実施された後に起こった。そして、検査が強化された結果、衛生上の問題が多数確認されたとして米国は6月22日にブラジル産の牛生肉の輸入を全面的に停止した。

 6月28日付の報道によると、カナダ食品検査庁(CFIA)は同日、2017年4月に同国によって採用されたより厳格な検査基準は、ブラジルから出荷された肉のほぼすべてを検査するという事態に陥らせたと明かした。CFIAは、4月10日に運用が開始された新たな規定では、ブラジルから輸入される肉のほぼすべてに対して病原体及び残留化学物質の検査を含む完全な検査を実施することになっているとしている。

 ブラジル産牛肉に対する厳密なチェックは、いまだにブラジル産牛肉を受け入れている国々の間で、その安全性に対する懸念を強調する結果となっている。

 ブラジル連邦警察が今年3月に食肉加工大手のJBSやBRFなどの施設に対して家宅捜索を実施して以降、米国農務省(USDA)はブラジルから輸入される生の牛肉及び加工品を再チェックし病原体検査を実施。サルモネラ菌と大腸菌についても検査を行うようになった。その結果、牛生肉において膿瘍(のうよう)や血液凝固、骨の混入など複数の問題が見つかり、輸入を停止するに至った。

 ブラジルは各輸入国が検査基準を強化、厳格化するのをただ眺めていたわけではない。各国の検査のより厳格な要件を満たすために、ブラジルは自国の食肉輸出基準を引き上げた。農牧食糧供給省管轄下の公的機関である農牧保護局(SDA)のルイス・ランジェル局長によると、ブラジルの食肉加工場は現在、内臓が取り除かれて肉と骨になった牛の胴体、つまり枝肉を丸ごと輸出することが禁じられており、輸出するために枝肉を切り分けている。切り分けることで何らかの欠陥や問題を検出することが容易になるが、その一方で、加工業者側のコストは増大する。

 ランジェル氏は「米国の事例を受けて、我々は基準を引き上げなければならない。一つの輸出市場だけのためでなく、すべての市場のために引き上げる」「処理コストは上昇するが、それは市場の安全を保つために必要なことだ」と話す。

 しかし、現在のブラジルでより厳格な基準を運用するのは簡単なことではない。それは監督官が圧倒的に不足しているためだ。

 6月26日付の報道によると、全国連邦農牧監督官組合(Anffa)は同日、人員不足と政府による予算カットが、米国によるブラジル産牛生肉の輸入停止を招いたブラジルの食肉輸出の衛生上の問題を引き起こしたと指摘した。同組合によると、現在ブラジルでは輸出を行っている約270の食肉処理場が監督官の存在なしに業務を行っている。

 同組合はさらに、連邦警察の捜査で明らかになった食肉検査に絡む汚職についても人員の不足が一つの要因になったと指摘。「政府の検査員が2人1組で一つの食肉処理場で仕事をすれば、検査員は相互に監視することができる」と主張している。

サンパウロ新聞